Love Triangle. (ページ21)

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20._R side_ ページ21

"しないよ、分かってるし"

Aはそう、口にした。

俺の好きな人がわかる、と。

俺はずっと、多分引っ越してきて初めてAにあった日から、Aのことが好きだった。

でも、既にAの隣には、"紫耀"という男がいた。

しかも、俺よりもハイスペックな顔面と性格をもちあわせて。

当然の如く、Aは紫耀のことが好きだった。

言われなくてもわかる、目がそう言っている。

勝てない、そう思った。

俺みたいに、心で穢れたこと考えてないことが話していて丸わかりだったから。

…それをAは、俺の好きな人がわかると言った。

意識もしてない、ということだろうか。

だからって、こんなふうに素っ気なく話せる内容じゃない。

よりによってAが、こんなに人の気持ちを踏みにじるようなことをするだろうか。

…そんなことを考えていると、紫耀に帰れと言われた。

…こりゃ都合がいい。

俺は1人で考えられるし、紫耀とAは二人きり。

…ええなぁ、アオハル楽しんでて。

屋台通りを歩くと、度々すれ違うカップル達。

いつも学校で女子に見られるのは気持ち悪い俺。

また、すれ違うカップルの女に見られてる。

だけど、自然と何も感じなかったのは、よっぽど俺が考え事に集中している証拠だろう。