客が八人 ページ9
張り込んでから3日経過した。
勿論、そんなに長い間滞在する必要は無かったのだが、、、バイトが何曜にあるのかを確認する為にはこれくらいが適切だ。
依頼人はきっと待ちくたびれているだろうな、そう考え乍ら情報を印刷した紙を持つ。
予め控えておいた依頼人の電話番号に掛ける。
「もし、3日前に依頼された方ですね」
「確かな情報を入手致しましたので、事務所までお越し願います」
そう伝えると、有無を言わさずに電話を切る。
「営業中」と書かれた看板を表にして、何時もの場所に座り込む。
既に数回は読んだ小説の頁を捲っていると、扉が開いた。
其処に現れたのは気弱そうな女性で、電話の時とは印象がかなり違ってみえた。
彼女が口を開くのを待っていると、彼女は私に近づいてきた。
「あの、、、安室さんの住所が分かったって、本当ですか?!」
頬を薔薇色に染めて手を当てている姿は恋する乙女が如し。
ニッコリと微笑んで肯定すると、きゃあ、と軽く声を上げた。
「情報は提供しましょう、但し、其れと引き換え何を払えます」
そう問いかけると、女性は厚めの封筒を差し出してきた。
中を確認すると、1万円札が10枚程。
まだ封筒が顔を覗かせている所を見ると、別に奮発している訳ではなさそうだ。
別に搾り取りたい訳ではないので、承りました、と微笑み情報を渡す。
すると、彼女は顔を輝かせ、純粋そうに見える笑顔でお礼を言って去っていった。
此度の依頼は完了。暫く暇になると良いのだけれど。
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紫苑(プロフ) - ありがとうございます!面白くて何よりです!クロスオーバー最高ですよね、、、 (6月14日 4時) (レス) id: 999d0c307e (このIDを非表示/違反報告)
とめーとー@カド松(プロフ) - 面白いです!お気に入りさせていただきました!クロスオーバーは大好きなので・・・ (6月13日 21時) (レス) @page11 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫苑 | 作成日時:2023年6月7日 13時