客が五人 ページ6
何時もの仕事服に着替え、事務所の前の扉にかけてある看板を「営業中」に変える。
そして、また中に引っ込み依頼人の来店を一瞥出来る所に座り、最近読み始めた小説を開く。
依頼人が来る頻度はそう多くない。
其れに、殆どが夜の交渉をご所望なので、此の事務所は殆ど機能しないと言っても過言ではない。
然し、稀に依頼人＿＿特に他の街からの依頼人等が来る為事務所はギリギリまで開けている。
今日は珍しくお客が来たようだ、、、カランコロン、と軽快な音を立てて入り口の扉に付いている鐘が鳴る。
小説を仕舞い、誰が来たのか机越しに見てみると、昨日倉庫にいた坊やが立っていた。
「坊や、君のような若い子が来る場所じゃないよ、此処は」
なるべく優しい口調を心がけて少年に話しかける。
すると少年はわざとらしい作り笑いで、ここで何をやっているのか聞いてきた。
説明する義理はないと思ったので、君はまだ知らなくていいと答え、彼を外に出す。
また、怪しむような探るような目で其処ら中見られて、気分が悪くなる。
扉を閉め、小説の続きを読む。
にしても、最近の小学生は文字を読めないのだろうか。
確りと看板に書いてあっただろうに。
厭な予感がするな、、、面倒臭い。
などと溜息を吐いていると、今度は電話が鳴った。
「はい、情報屋です。」
《米花町のポアロで働いてる安室さんって人の住んでる場所を教えて欲しいの》
女性の声が聞こえてくる。
恐らくはストーカー紛いの行動を起こそうとしているのだろう。
だが、依頼された情報が白と黒、どちら側の人間でも私は構わない。此れも仕事だ。
米花町は「犯罪都市」などと呼ばれており、何でも一日一回は殺人事件が起きるとかなんとか。
まあささっと確認して帰れば問題ないだろう。
そう判断して了承の返事をし、電話を置く。
「却説、ストーカー紛いの行動をさせる程の色男はいったい誰だろうね。」
何て言ってるが実は色男や美人に興味がないのが小鳥遊A。
事実、前に依頼人の色男が代金を払うのが厭でハニトラを仕掛けてきたが撃退した。
それどころか、代金を誤魔化そうとしてくれたので確りと其の分上乗せしたもらったのだ。
二度とそういうことが出来ないように彼の息子を再起不能一歩手前にしたのは秘密。
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紫苑(プロフ) - ありがとうございます！面白くて何よりです！クロスオーバー最高ですよね、、、 (6月14日 4時) (
レス) id: 999d0c307e (このIDを非表示/違反報告)
とめーとー@カド松(プロフ) - 面白いです！お気に入りさせていただきました！クロスオーバーは大好きなので･･･ (6月13日 21時) (レス) @page11 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑 | 作成日時：2023年6月7日 13時
