客が二十三人 ページ24
とある廃墟の近くで私は現在待機している。
廃墟の中では中也が数人の部下を連れて取引を行っており、私への依頼は部外者が来ない為の見張りだ。
唯一の出入り口である扉の前で待機していると、近くをうろつく影が。
体格と身長から察するに、あの少年が嗅ぎつけてやってきたのだろう。
莫迦だなあ、、、若し見張りがいなくとも、入ったら確実に証拠隠滅の為に消されると云うのに。
探偵を名乗っている割には結構お粗末な頭をしているんだね。
其れとも、体が縮むと同時に頭脳も劣化したのか。
如何やって中に入るつもりだろう、と考えていると少年が私の元にやってきた。
「なあ、何でオマエがここにいるんだ?」
明かに怪しむような口調で探ってくる。駄目じゃないか少年、探るんなら相手に悟られてはいけないよ。
頭の中で莫迦にし乍らも少年の目線まで屈み、目を合わせる。
「何でだと思う?」
片方の頬に
苛立ったような表情を見せ、廃墟の中に入ろうとする少年を襟で掴んで抑える。
ジタバタと暴れる少年を襟で掴んだまま裏路地の方に行って雑に地面に下ろす。
どうやらお尻を打ったようだ、痛そうに庇っている。
どうせすぐに取引は終わるんだ、一寸くらい待ち給えよ少年。
問題は、、、取引が上手くいくか如何か、だね。
若しマフィアに盾突こうものなら死に至る。其の場合悲鳴等が聞こえてきて面倒くさい事態になるが、
恐らく上手くいっているんだろうな。
路地裏で未だ蹲っている少年を一人残して廃墟の出入り口に戻る。
暫くすると、少年が来る前に取引相手が無傷で出てきた。取引は上手くいったみたいだね。
小さくお辞儀をして見送った後、廃墟の方に体を向け、出てくる中也に近寄る。
「依頼はちゃんとこなしたよ」
片方の目だけ瞑って、
半ば苦笑気味に、中也は依頼金を渡してきた。
「うん、確かに。じゃあまたね、中也」
金額を確かめてから背を向け、ひらひらと手を振って私は廃墟を後にした。
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紫苑(プロフ) - ありがとうございます!面白くて何よりです!クロスオーバー最高ですよね、、、 (6月14日 4時) (レス) id: 999d0c307e (このIDを非表示/違反報告)
とめーとー@カド松(プロフ) - 面白いです!お気に入りさせていただきました!クロスオーバーは大好きなので・・・ (6月13日 21時) (レス) @page11 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫苑 | 作成日時:2023年6月7日 13時