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客が二十人 ページ21

「で、何の用です」


半ば呆れた様な目を向けて、頬杖をつきながら質問する。

すると、少年と男性は顔を合わせて急にこそこそと話し始める。

打ち合わせは外でやってくれ、何故態々入って来てからするんだよ。

顔を顰めて観察していると、内緒話は終わったのか此方に向き直る二人。

男性の方が先に口を開く。


「いえ、コナン君が面白い人がいる、と言っていたものですから少々気になって」


来ました、と。

如何にもな嘘を吐くのは辞めてもらいたい。

どうせ、怪しい人がいるから着いて来てほしいとでも言われただろうに。

そして自分もどうせなら観察してみようとノリノリで来ただろうに。

ジト目で少年を見て、言葉を発する。


「幾ら私が怪しいからといって、昨日の今日で来るというのは些か常識に欠けると思わない?」


本当に面倒くさい相手だ。

太宰を相手にするよりかは遥かにマシだが、鬱陶しい事には変わりない。

此処を出禁にでもしようかな、どうせ抜け道とか見つけて入ってくるんだろうけど。

犯罪紛いの事を平気でしそうなくらいに常識がないからね、少年に近しい米花町の人間は。

マフィアの方が余程礼儀と常識を持っているよ。

なンて考えていたら電話が鳴った。

依頼人だ。

二人の前だが気にせず電話を取ると、聞き慣れた声が聞こえてきた。


《ようA、突然だが依頼させてもらうぜ》


「、、、嗚呼、君ならアポなしでも大歓迎だよ」


依頼主は先刻話題に出していたマフィアの五大幹部が一人、中原中也だった。

太宰が苦手な私と太宰が嫌いな中也、親しくなるのにそう時間は掛からなかった。


《今度米花町で取引があるんだがな、最近眼鏡を掛けた丁稚が何やら嗅ぎまわってるとの噂だ》


「念には念を、つまり安全の確保ってことか」


《あァ、そういう事だ。話が早くて扶かるぜ》


《情報屋の仕事じゃねぇが、、、》


「大丈夫、やるよ」


情報屋の仕事じゃあないけど中也は、マフィアは、お得意様だ。

お得意様のたまの無茶ぶりくらいなら叶えてみせよう。

私は異能力者ではないけどね。

それにしても、その丁稚が現在進行形で目の前で聞き耳をたててるなンて。

疑われると面倒くさいので詳しい事は後日話すしかない。

此奴らが帰った後でもう一度電話を掛けるか。


「じゃあ、詳細はまた後日」


《おう、じゃあな》


そう言って電話を切る。

二人に目を向けると、慌てて何事もなかったかの様に取り繕う。

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紫苑(プロフ) - ありがとうございます!面白くて何よりです!クロスオーバー最高ですよね、、、 (6月14日 4時) (レス) id: 999d0c307e (このIDを非表示/違反報告)
とめーとー@カド松(プロフ) - 面白いです!お気に入りさせていただきました!クロスオーバーは大好きなので・・・ (6月13日 21時) (レス) @page11 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫苑 | 作成日時:2023年6月7日 13時

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