灰色に生きる情報屋は

客が十七人 ページ18

あの日美術館にて盗聴器をつけられた時以来、少年が異様に付き纏って来るようになった。

執拗に名前を聞いたり、尾行したり、盗聴器及び発信機を取り付けたり等。

未だ実害は出ていないものの、安心して過ごす事も出来やしない。

特に名前を聞いてきた時のやり取りなンかは、、、

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「ねぇねぇお姉さん！お姉さんの名前は何なの？」

「僕はね、江戸川コナンって言うんだ！」

「あれ、お姉さん何で返事してくれないの？」

「何か名前を知られちゃいけない事情でもあるの？」

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兎に角怒涛の質問攻めだった。

然も江戸川って、、、彼の名探偵の親戚か何かかと思い戸籍を探してみるも”江戸川コナン”なンて存在しない。

なら何なのか。

一番辻褄の合う考え方は、”江戸川コナンは偽名で何かしらの事情で幼児化した工藤新一”

少なくとも私の中での最有力説であり、今の所これ以上に効果的な理由はない。

少年が工藤新一だとすれば、小学生とはかけ離れた言動や、事件に対する探究心にも合点がいく。

死体を見慣れていたように見えたのも工藤新一ならではだ。

いやまあ、、、裏社会の人間、又は警察関係の仕事についている人ならば死体も見慣れているだろうが。

工藤新一、、、確か自称名探偵の高校生探偵だっけな。

二流の癖にイキってる野郎としか認識していなかった。

本当の名探偵は推理なンてしないんだよ。

其れこそ、、、武装探偵社の江戸川乱歩みたいに、ね？

あれくらい出来なきゃ名探偵なンて名乗っちゃいけないよ、工藤新一クン。

少し揺さぶってみるのも面白いかもしれないな。

若し違ったら恥ずかしい思いをするのは私だけどね。

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