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客が十五人 ページ16

「どうしたのかな、坊や」


面倒くさいと思う反面、表面上はにこやかに対応する。

疾しい事をしている訳でもないので迷惑そうな顔をするのは控えておく。

少年の目線まで屈み、微笑む。


「えっとねー、お姉さんそのカメラは何なの」

人の領域を土足で踏み荒らす(タイプ)だな此の少年は、等と思い乍らもこれ、と掲げて聞いてみる。

そうだよ、なンて無理矢理作ったかのような甲高い声で返事する少年。

見た目と中身が合ってないみたいで気持ち悪い。


「此れはねぇ、、、仕事の為に持参した撮影器(カメラ)だよ」


と答える。

別に嘘はついていない。


「それで何の写真を撮ったの」


毎回会う度に探るような目つきで見られると気分が悪いな、、、

別に私が何の写真を撮ろうがこの少年には関係ないじゃないか


「坊やに何か関係ある訳」


困り顔でそう訊くと、ないけどでも〜、なんて言ってきたので関係ないなら行くね、と言い残して美術館を出る。


「あ、お姉さん埃ついてるよ取ってあげる」


なんて少年に会場を去る間際に言われて盗聴器を付けられたのは正直驚いた。

あまり視認されなさそうな場所につける手際といい、盗聴器を持っている事といい、、、

本当に唯の小学生じゃなさそうだ。

暫く歩いて美術館が見えなくなった頃、盗聴器を剥がして指先で遊ぶ。


「小学生が犯罪者予備軍、かあ、、、」


くすっと笑って盗聴器を潰す。

欠片は近くにあったゴミ箱の中に入れて、依頼主に電話を掛ける。


「もし、依頼された写真ですが、、、ええ、入手しました」


「では、、、ええ、事務所の場所は分かりますね、其処でお待ちしております」


事務所に来るよう促すと、電話を切る。

ゆったりとした足取りでヨコハマ迄の道のりを歩く。

暗い夜道を歩き乍ら、夜はポートマフィアの時間だな、なンて考える。

路地裏に近寄らない様にして道の真ん中を通って事務所を目指す。

道中、叫び声を上げながら男が路地裏から出てきた後重力によって押し潰されていた。

ポートマフィアに手を出すとか此奴も莫迦な事をしたなと思い通り過ぎる。

他には何も起きず、平和に事務所まで辿り着くと事務所の前で佇む女性がいた。


「失礼、依頼人の方ですか」


すると、彼女は厚い封筒を出してきて、中を覗いてみるとまあ、一万円札が4枚も。

写真一枚に四万円も出すとは、愛好者(ファン)の考える事は良く分からない。

写真を渡すと彼女は満足そうに帰って行った。

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紫苑(プロフ) - ありがとうございます!面白くて何よりです!クロスオーバー最高ですよね、、、 (6月14日 4時) (レス) id: 999d0c307e (このIDを非表示/違反報告)
とめーとー@カド松(プロフ) - 面白いです!お気に入りさせていただきました!クロスオーバーは大好きなので・・・ (6月13日 21時) (レス) @page11 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫苑 | 作成日時:2023年6月7日 13時

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