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客が十四人 ページ15

犯行予告時刻の1時間前ぴったりに目が覚める。

寝起きで乱れている照準を合わせようと目を細め乍ら着替える。

屋根に登っても目立たなそうな、且つ動きやすい服装を身に纏い事務所を出る。

美術館に着くと、既に中は警察官や一般人等で溢れていた。

此れは盗むのは一般人には至難の業だな、と思って暫く目当てらしき紫水晶(アメジスト)を眺める。

ふぅ、と一息ついて屋上にこっそりと上がる。

屋上で怪盗キッドが現れるまで暇な為、写真を撮る為の撮影器(カメラ)の他に、小説も持ってきている。

自身の腕についた時計を時折確認し、犯行時刻になると本を仕舞う。

恐らく逃走経路はここからだろう、、、其の様な希望的観測を基に此処にいる。

気配を消しつつ扉の近くで待っていると、案の定、怪盗キッドが現れた。


「こんばんは、目当ての宝石は盗めましたか」


そう声を掛けると彼は驚いて此方を振り向いた。

其れと連動して撮影器(カメラ)を起動させ、写真を撮る。

薄く微笑んで扉に背を預ける。


「おや、、、こんな所に貴女のような麗しい女性がおられるとは、、、」


流石は奇術師、ポーカーフェイスを保つのが得意らしい。

直ぐに笑みを浮かべて気障(きざ)な台詞を口にする。


「貴女も私を捕まえに来られたのですか?」


警戒の色を目に浮かべ乍ら、口を斜めにして此方を見据える怪盗。

其の問いに私は一つ笑いを零し、否定する。


「いいえ。其れに、目的はもう果たしたもの」


其れじゃあ、縁があったら会いましょう、と言い残して屋上を去る。

___紫水晶(アメジスト)は既に、キッドの手にはなかった。

またしても怪盗キッドに出し抜かれた警察。増えるキッド信者。

次に依頼してくる人物は誰だろうか、、、

Aが屋上から降りると、見覚えのある人物がいた。

小学生が着るには似つかわしくない洋服を着た眼鏡の少年。

面倒くさい事は厭なのだけど、などと考え乍ら傍を通り過ぎようと試みる。


「あー、この前のお姉さんだー!」


甲高い声が下から耳をつんざく。

流石に無視すると何をしでかすか分からないので一応目線を其方に向ける。

表面上は無垢な子供に見えるが、其の目には激しく疑いの炎が浮かんでいた。

だから来たくなかったのに、、、と後悔しつつも保護者代わりであろう女性に頭を軽く下げる。


「どうしたのかな、坊や」

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紫苑(プロフ) - ありがとうございます!面白くて何よりです!クロスオーバー最高ですよね、、、 (6月14日 4時) (レス) id: 999d0c307e (このIDを非表示/違反報告)
とめーとー@カド松(プロフ) - 面白いです!お気に入りさせていただきました!クロスオーバーは大好きなので・・・ (6月13日 21時) (レス) @page11 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫苑 | 作成日時:2023年6月7日 13時

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