灰色に生きる情報屋は

客が十二人 ページ13

結局事件は私の推察通り、被害者の席の前を通った女性が犯人だった。

6名で座っていた内の一人、横に広い恐らく人生後期であろう男性が時折背後を気にし乍らも謎を解いた。

謎解き推理見世物(ショウ)がプライバシーの侵害だと思うのは私だけだろうか。

そして、推理見世物(ショウ)と言えば最近行方不明の自称名探偵の工藤新一に似ていると思うのは私だけだろうか。

というか男性の背後にいた少年が実は工藤新一だ、とかあり得る話ではある。

然し気になる程ではないし先週の様に途轍もなく暇になったら調べてみるか。

勘定を払い、其のまま飲食店を後にする。

事情聴取は面倒くさいので警察に目を付けられない様上手くすり抜けた。

自ら面白い事件を求めたとはいえ、自分が事件に巻き込まれるとは。

お陰で疲れ果ててしまった。

一先ず今日は事務所に戻るとするか、、、

あの眼鏡の少年と関わるとロクなことが起きない。

第二の工藤新一、、、米花町の死神と言っても過言ではないんじゃないか？

まだ2回見かけた程度だが、其の度に事件が起こっている気がする。

まあでも、、、米花町もヨコハマも似たようなものだしな、、、

しいて言うなら米花町は様々な犯罪者が事件を起こして「犯罪都市」と呼ばれているが

ヨコハマの事件は主にポートマフィアの仕業だからな、、、其れが「魔都」と呼ばれる所以か？

興味ないけど。

私は自分の身が安全であれば、それで善いのだから、、、

嗚呼でも、仲良くなった者には生きていて欲しいな

探偵社やマフィアや、、、特務科は接点がなさ過ぎて分からないが。

却説、此れからはあの少年、ひいては米花町と関わらない様細心の注意を払わなければ。

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