客が一人 ページ2
赤レンガ倉庫で女性の悲鳴が上がる。
偶々ヨコハマで小旅行をしていた毛利ら探偵は悲鳴を聞きつけ急いで倉庫へ走った。
駆けつけた毛利小五郎、江戸川コナン、安室透が見たのは男性の死体だった。
胸に3発弾丸が撃ち込まれており、血が周囲に波紋を作り流れている。
*
「殺人事件か、、、」
すん、と鼻を鳴らして血の匂いをかぎ取ったA。
情報屋の性で現場に行くと、死体をベタベタと触っている小学生と中年がいた。
他には離れた所から死体を観察している褐色肌の男性と、腰を抜かしてしまった女性がいた。
溜息を一つ零し、注意する為中年男性に近づくと
「お嬢さん、ここはいけません。探偵である私に任せて、貴女は警察を呼んでください」
と言われた。意味が判らないという風に一瞥して、死体へと足を進める。
あ、ちょっと!という小学生特有の甲高い声は右耳から左耳に流し、死体を調べる。
恐らくは即死。救急車を呼んでも意味がなさそうだと判断して軍警に連絡を取る。
「もしもし軍警ですか、、、ええ、赤レンガ倉庫にて死体を発見しました」
「ええ、よろしくお願いします」
すっくと立ちあがって倉庫の入り口付近にて到着を待つ。
何か言いたげに少年と中年男性が此方を見ていたが、気付かない振りをしてやり過ごす。
暫く目を瞑っていると、到着したらしき音がしたので壁に預けていた背中を放し、軍警の元に行く。
「お勤めご苦労様です、、、犯人像なら指定できますが、如何なさいますか」
単なるお節介なので代金は取りません、と優しく微笑む。
私の役割を知っているのか、其れとも職業を知っているのかは兎も角、到着した彼は微かに頷いた。
「お願いします」
そうですか、と呟き、一先ず死体の場所まで案内する。
死体の状況としては、胸に三発、銃で撃たれた痕があるのみ。
とはいえ、新米警官らしき彼はそれだけでポートマフィアの制裁だと判断したのか、死体を見て本当に情報がいるのかと聞いてきた。
必要です、と含みを加えた笑みを浮かべて答え、顎を指す。
「貴方はマフィアが犯人だとお思いのようですが、マフィアの制裁の方法は細部まで細やかに決められています」
「これは恐らく、マフィアに罪を擦り付けたい者の仕業です」
倉庫を調べれば、自ずと犯人はわかるはずです。
そう言い残し、私は倉庫を後にした。
____眼鏡をかけた小学生の探るような目に気が付かない振りをし乍ら。
154人がお気に入り
「名探偵コナン」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫苑(プロフ) - ありがとうございます!面白くて何よりです!クロスオーバー最高ですよね、、、 (6月14日 4時) (レス) id: 999d0c307e (このIDを非表示/違反報告)
とめーとー@カド松(プロフ) - 面白いです!お気に入りさせていただきました!クロスオーバーは大好きなので・・・ (6月13日 21時) (レス) @page11 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紫苑 | 作成日時:2023年6月7日 13時