†参拾玖話† 嵐の前触れ ページ42
カルラの子を産んで、二年。
きっと私は、心の底でまだ恐れているのだ。
両腕の中に抱いた小さな命の温もり。
その命と引き換えに、自らの命が失われる筈だった事に。
…母親として最悪の人間だ、私は。
「…A?」
ふ、と我に返った時、目の前にはカルラがいた。
そう、私の夫であるカルラが。
「…痛、」
「…ぁ、駄目よシリン、ユリン…っ、」
私とカルラの子は、双子。
双子の兄、シリンはまるでシンのような明るいオレンジの髪で、毛先は白。
弟のユリンは、カルラそっくりの白銀の髪に、毛先が黒。
時折瞬くその双眸はシリンが白金に金の瞳孔、そしてユリンは金に白金の瞳孔。
その愛しい我が子に緩く髪を引かれたカルラは、反射的に声を上げた。
「…むぅ、」
むくれたカルラは、しかし特段苛立った訳では無いようで。
私に優しく何度も口付け、暫くして満足したのか少し距離を空けた。
しかしそれでも、カルラとの距離は肩が触れる程。
「…もう、近いよ」
「…嫌、か…?」
「…っ、」
反射的にカルラの目を睨んだ私の瞳は、カルラと同じ…けれど少しだけ赤みを孕んだ金。
苛立った私の眼差しに、困惑しきったカルラの瞳が揺らいだ。
「…何故、だ…?」
カルラの泣きそうな顔を見るのは、久し振りだった。
あれは確か…まだ妊娠中の私が、カルラが寝ていた所に買い物しに行った時。
目を覚ましたカルラは屋敷内に居ない私に激怒し、私がいた逆巻家を局地的な台風が襲った。
「…御免なさい、今貴方の顔を見るのが厭で厭で仕方が無いの。
…少し、頭を冷やす時間を頂戴」
何故か、激しい苛立ちに身を焦がされていた。
静かで激しい夫婦喧嘩に起きてしまった未だ幼いシリンとユリンの手を引くのが精一杯だった。
「…匿って、お願い」
頼ってしまう。
ああ、結局何も変わらない。
私は誰かに頼る事でしか生きていけないのだ。
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*SSU* - カルラ様〜〜〜〜〜〜♪愛してる〜〜〜♪ (2020年5月10日 2時) (
レス) id: b6be28c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 忘れてましたが！詩音は、私の3DSのアカ、こっちはスマホのアカになります。 (2017年7月4日 18時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - ゴミみたいな下手な絵でカルラさん御免なさい… (2017年7月4日 17時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 携帯買ったので、一々パスワード入れずに済む…っ!！( ≧∀≦)ノ嬉しい (2017年7月2日 20時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音 - Schicksalさん» そうですね。カルラさん好きの人に会えて光栄です!!これからも閲覧宜しく御願い致します♪ (2017年6月27日 22時) (レス) id: 30e1d5a9e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩音 x他1人 | 作成日時：2017年4月2日 21時
