†参拾捌話† 葬列と悪夢 ページ41
「…っあ、」
透き通るように白く長い髪を持つ男が見下ろす、赤みの強い茶髪の少女。
きっと気付かないと思いながらも、男は唇を合わせ、優しく髪を撫でる。
「…」
すぅすぅと微かに寝息を響かせる少女の瞳が開く頃。
男は逃げるようにその場を去っているのだろう。
しかし、少女は目覚めた瞬間に気付く。
甘い残り香に胸を締め付けられ、すぐに寝間着のまま、駆け出す。
「…カルラ、起きてる…?」
時刻は既に昼前。
いつもなら、激しい昼夜逆転生活を送るカルラとシンに釣られて私も寝ている時間だ。
当然、私もまだ眠い。
カルラは品の良い深紅のシーツを乱し、枕に顔を埋めて眠っていた。
半開きのカーテンを閉めれば、部屋には夜に見間違わんばかりの漆黒の闇と甘い香りが満ちる。
「…カルラ、どうしたの…?」
左手だけ着けたままの白い手袋。
乱れた白い髪。
ソファーに投げ出された黒いジャケットと右側の手袋。
おおよそ始祖王としての強い自負と誇りを持つカルラにしては、珍しい行動だ。
柔らかな髪を撫でていると、不意にカルラの目が開いた。
「…っん、…A…?」
「…ぁ、えっと…」
何を言えば良いか解らず、ただ金魚のようにパクパクと口を開閉する。
「…ふ…っ、」
微かに笑う声がして、私は驚いて顔を上げる。
「…え?」
「…容易い」
苦笑したカルラの牙がゆっくりと私の首筋を抉った。
「…ぁ、んんっ、」
漏れた声を止めようと、口を塞ぐ。
「…今更、もう…遅い…」
気付いた時には押し倒されていた。
「…貴様に触れているだけで、私には…堪えられんのだ。
貴様に触れるのは、心地好い。
だからこそ、私には…毒だ」
散々に苛めてやりたくなる。
何故か泣きそうな顔で見下ろすカルラの冷たい指が、私の頬に触れる。
「…泣いて、る…?」
「…誰が、」
不思議とその瞳は濡れていて。
「…今すぐ、黙らせる。
…少し、口を開け」
「…ん、ぁふ…」
駄目なのに、体は拒もうとしない。
「…これは夢では…ないな?」
「触れば解…」
「兄さー…んぐっ?!
…し、しちゅ礼しましたっ!!」
唐突に現れたシンは、すぐに立ち去った。
どたどが、がらがっしゃん、ごわっしゃぁぁあああっ!!
…廊下で大惨事が起きたに違いない。
「…動揺し過ぎ」
「…悪夢すら吹き飛ぶ」
「…悪夢…?」
「…っ、」
途端に、カルラは私の頬を鷲掴みにした。
「…貴様、私を怒らせるとは…。
躾の、し直しだ…」
もう、逃れる気もしない。
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*SSU* - カルラ様〜〜〜〜〜〜♪愛してる〜〜〜♪ (2020年5月10日 2時) (
レス) id: b6be28c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 忘れてましたが！詩音は、私の3DSのアカ、こっちはスマホのアカになります。 (2017年7月4日 18時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - ゴミみたいな下手な絵でカルラさん御免なさい… (2017年7月4日 17時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 携帯買ったので、一々パスワード入れずに済む…っ!！( ≧∀≦)ノ嬉しい (2017年7月2日 20時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音 - Schicksalさん» そうですね。カルラさん好きの人に会えて光栄です!!これからも閲覧宜しく御願い致します♪ (2017年6月27日 22時) (レス) id: 30e1d5a9e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩音 x他1人 | 作成日時：2017年4月2日 21時
