†参拾話† 一つの願い ページ31
高い所から飛び降りたが巧く衝撃を相殺してくれたのか、痛みは無かった。
「…っわ、」
視界が開けると同時に、私は目を見開いた。
視界一杯に広がる白薔薇の園。
「…コレ、やる」
左手で私を抱えたまま、スバル君は白薔薇を一輪摘んで私に手渡した。
「…綺麗、」
「…このまま、真っ直ぐだ」
「…ありがと、スバル君っ、」
抜け道に向かう前に、私は去っていくその背に感謝を投げ掛けた。
ガツンと殴られたように上体をよろめかせて振り返ったスバル君は、私を真っ赤な顔で睨む。
「礼なんか良いから、早く行けっ!!」
笑った私は白薔薇を持たない手を軽く振って出て行く。
風に揺れる一輪の白薔薇を見つめながら歩いていると、不意に私の目の前に人影が現れた。
驚いて顔を上げれば、それは威圧感のある長身痩躯の男性。
夕闇に紛れる黒いジャケット、艶やかな白銀だが毛先が紅いその特徴的な長い髪、今は苛立たしげに細められた鋭い金の視線。
「…っ…、…カ、ル…ラさ…」
名を呼ぶ猶予も無く、腕を掴まれた。
「…貴様に私の元から逃げる権利など無い。
…まして、逆巻の屋敷から出て来るとは…」
「…痛…っ、」
腕がギシッと嫌な軋みを立て、痛みに腕を押さえて小さく唸る。
「痛い…、…当然だ。
…この私が痛みで、その身体に教え込んでやるのだからな」
真夜中に、一迅の疾風が吹き抜ける。
†カルラside†
逆巻の屋敷から出て来た女…Aを怒りのままに屋敷へと連れ帰り、ドサッとベッドに放り投げて両手を捕らえる。
「そんなっ、わざとじゃ…、…っ!!」
物分かりの悪い唇を唇で塞いで何度も求める。
絡む舌先を咬んだ瞬間、女の体が跳ねた。
…貴様は、離してなどやらぬ。
「…ふっ…、霞むその瞳、逆巻も見たのか…?」
「…んっ、は…ぁふ…、…んんっ…!!」
胸焼けする程甘いが涙で微かに塩辛い唇を味わい、酔いしれる。
「…ふ、…っん…」
囚われた姫が嬌声を上げる残虐で残忍な夜。
月浪の狼はただ姫を喰らう。
「…、ん…ふぁ、」
微かな息を漏らし、首筋を吸う。
普段は隠せるがいざ吸血となればすぐに解る際どい場所に残る、深紅のキスマーク。
私の腕の中で安堵する女への感情も、取るに足らない言葉を交わす時間も、何時かは喪われる。
しかし今はその甘い時間に、微睡もう。
眠る女に口付け、願うは一つ。
「…消えるな、…まだ…赦さぬ、」
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*SSU* - カルラ様〜〜〜〜〜〜♪愛してる〜〜〜♪ (2020年5月10日 2時) (
レス) id: b6be28c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 忘れてましたが！詩音は、私の3DSのアカ、こっちはスマホのアカになります。 (2017年7月4日 18時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - ゴミみたいな下手な絵でカルラさん御免なさい… (2017年7月4日 17時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 携帯買ったので、一々パスワード入れずに済む…っ!！( ≧∀≦)ノ嬉しい (2017年7月2日 20時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音 - Schicksalさん» そうですね。カルラさん好きの人に会えて光栄です!!これからも閲覧宜しく御願い致します♪ (2017年6月27日 22時) (レス) id: 30e1d5a9e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩音 x他1人 | 作成日時：2017年4月2日 21時
