†拾玖話† 賭けの景品 ページ20
「…っ!!」
絶句したルキ。
鳴り響くブザーの甲高い音色。
「…カルラ、さ…」
微かな甘い響きを持つ女の声。
ボールが宙を舞う僅かな時間を、静寂が引き伸ばす。
シュ、とゴールポストを潜ったボールが落ちると同時に…広い体育館を歓声が包んだ。
「…失せろ、無神ルキ。
貴様には、あの女は遣らぬ」
指先でボールを廻しながら、私はルキを横目で見ながらニヤリと笑った。
「…クソッ、」
柄にもなく毒突いたルキに、無神家の面々が慰めるように駆け寄る。
「…譲れないのだ。
…済まない、」
だから私も、柄にもなく謝ってしまったのだ。
「…おい、貴様。
…奴等の元へ、行って来ると良い」
「…?
…分かりました、」
…だから、きっとこれは試合に勝った事への喜びだ。
女を前に薄く笑んだ私に、シンと女は驚愕に見開いた瞳を瞬かせた。
†Aside†
「…A…っ?!」
意気消沈していたルキさんは、私の体を抱き寄せた。
「どう、して…っ…?
…Aさん…っ!!」
抱き付いてきたアズサ君の上から、ルキさんが強く抱き締めてきた。
「もう会えないかと…っ!!」
「…平気か、何もされてないかっ?!」
「…コウ君、ユーマ君…って…きゃあっ!!」
四兄弟に抱き付かれ、二階の物置のスペースにある体操用マットの上に四兄弟の下敷きになって倒れた私。
「…痛…っ、」
床で擦り、膝と掌に血が滲む。
一階の広いスペースに居たカルラさんとシン君、それに逆巻家の三つ子、そして私の目の前にいる無神家の四兄弟が、ピクッと顔を上げた。
「Aさん…羨ま…しい、な…。
…痛そうで…」
「…勿体無い。
舐めるぞ」
膝をアズサ君に、掌をルキさんに舐められ、ビクリと体を震わせる。
「…ん…はぁ…っ、」
「んぅ…っ、…はふ…」
「んんっ…、」
口をコウ君に押さえられて声は寸前で止められ、ユーマ君に体を押し倒されていて身動きすら取れない。
「ん…ん、ふぁ…っ!!」
…その時だった。
「…おやおやぁ…?
オレの餌に、何してるんだ?」
わざとらしく作られた声は、シン君のもの。
「…んふ…ぁ、…シ…ン、くん…っ…?」
呂律が回っていない私を、ひょいっと掬った冷たい腕。
「…兄さんが来る前に、逃げるゼ」
…腰が抜けた今の私には、シン君の提案がとてもありがたかった。
「…させないが、」
もう一度、私の体を抱き寄せた誰かの腕は。
私の頬に触れ、瞼を閉じさせた。
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*SSU* - カルラ様〜〜〜〜〜〜♪愛してる〜〜〜♪ (2020年5月10日 2時) (
レス) id: b6be28c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 忘れてましたが！詩音は、私の3DSのアカ、こっちはスマホのアカになります。 (2017年7月4日 18時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - ゴミみたいな下手な絵でカルラさん御免なさい… (2017年7月4日 17時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 携帯買ったので、一々パスワード入れずに済む…っ!！( ≧∀≦)ノ嬉しい (2017年7月2日 20時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音 - Schicksalさん» そうですね。カルラさん好きの人に会えて光栄です!!これからも閲覧宜しく御願い致します♪ (2017年6月27日 22時) (レス) id: 30e1d5a9e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩音 x他1人 | 作成日時：2017年4月2日 21時
