†拾肆話† 気紛れな狼のロンド ページ15
「…ん、…ふぁ…っ、」
…ちゅ、と音を鳴らして唇が離れる。
「…立てるか、」
そう言われても、先程のキスで腰が砕けて立ち上がれない私を、カルラさんの腕が掬い上げた。
「…帰るぞ、」
「…ククッ、楽しそうだね、兄さん…?」
…月浪邸に戻され、雨に濡れていた私は当然酷い風邪を引いた。
「…はぁ…」
風呂から出た私は溜め息を吐き夜空を見上げた。
「…喉、渇いた…」
ペタペタと足音を鳴らし、私は部屋の外に出た。
扉に手を掛けた瞬間。
『兄さ…、…の女…』
『…嗚呼、用…済んだ…殺…』
『…ど…見極…る…?』
会話の内容が気になり、扉に耳を当てた。
『…確証を得たら、計画を実行するが…成功すれば“血の器”はもう必要無い』
『そうだね、』
『“血の器”は、もう休んでいるのか?』
『あぁ、うん。
…アイツ風邪引いてたけど、死 ぬ程じゃない』
…それを聞いて私は理解した。
“血の器”とは、私の事。
そして“血の器”は“計画”が済めば…殺…され、る。
理解した瞬間私はその場から逃げた。
「…そうだ、」
何故今迄忘れていたのだろう。
彼等が人間ではなく、ヴァンパイアの…始祖である事。
「…私に、安息の地なんて…無いの…?」
私は窓を閉め、雨に煙る街並みを硝子越しに見ていた。
涙と共に溜め息が漏れる。
目を離したのは、一瞬。
次に外を見た時には、其処に獣がいた。
「…狼…?」
熱に浮かされた頭では判断も出来ず、何時の間にか現れた銀の狼に触れようと窓を開ける。
手を伸ばせば、狼は近寄ってくる。
グルル…と喉を鳴らした狼の体に抱き付き、狼の喉に指を滑らせた。
筋肉質な体躯の狼を枕に、強い眠気に目を閉じた。
「…ん、ぅ…」
朝日に目を開けば狼は…私の傍で小さな寝息を立てて眠っていた。
…何故だろう、こんなに落ち着くのは。
狼はふと目を覚まして、私の頬をペロリと舐めた。
「…ありがとう…」
この狼に言葉は解らないとは思う。
けれど、ただ言いたかった。
突然部屋に入ってきたシン君が私の傍に寝る美しい銀狼を見て唖然として…本人には決して言えないが、とんでもないアホ面になってしまった。
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*SSU* - カルラ様〜〜〜〜〜〜♪愛してる〜〜〜♪ (2020年5月10日 2時) (
レス) id: b6be28c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 忘れてましたが！詩音は、私の3DSのアカ、こっちはスマホのアカになります。 (2017年7月4日 18時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - ゴミみたいな下手な絵でカルラさん御免なさい… (2017年7月4日 17時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 携帯買ったので、一々パスワード入れずに済む…っ!！( ≧∀≦)ノ嬉しい (2017年7月2日 20時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音 - Schicksalさん» そうですね。カルラさん好きの人に会えて光栄です!!これからも閲覧宜しく御願い致します♪ (2017年6月27日 22時) (レス) id: 30e1d5a9e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩音 x他1人 | 作成日時：2017年4月2日 21時
