†拾話† 桜舞う水面と君と ページ11
†カルラside†
「…着いたぞ、此処だ」
着いたのは、私が月浪邸の庭の中でも特に気に入っている場所。
九月の狂い桜が蒼い湖の静謐な水面に反射し、淡い紫に染め直す。
散った桜の花弁が、蒼い水面に揺れる。
シンにすら、此処の事は言っていない。
「…わ、ぁ…っ、」
目の前に広がる美しい光景に、声を掛けても女…瀧Aは絶句して呆けたように口を半開きにしていた。
それでも、女の美しさは損なわれていない。
…さぁ、やるか。
「…踊るぞ、」
「…ぇ、」
私の言葉に見開かれて潤んだ赤みがかった茶の瞳が、私を見上げる。
…嗚呼、これが始祖の最後の希望、血の器。
白い首筋に無数に残る吸血の痕と、首輪の擦れた傷跡。
そして、小さなキスマーク。
パチン、と指を鳴らして私はマフラーを媒介に女を対象とした魔術を掛けた。
そしてマフラーを外し、女の首に掛ける。
…余りにも美味そうな匂いと白い肌を見ていると、吸血したくなる。
欲求を鎮める為に急いで目を逸らし、くるくると女の首に幾重にも巻いていく。
幾ら巻いても余る長いマフラーを持て余し、魔力で女の肩と胸元で交差させて後ろに回し、腰まである長い栗色の髪と同じ位の所で揺れるようにする。
「…」
無言のままに手を離せば、油断していたのか女は水面に真っ直ぐ落下していった。
「…っ、きゃああああーっ!!」
…つくづく耳障りな声だ。
しかし、停めてやらねば。
指を振り、女の落下速度を緩める。
水面に触れた女の爪先は静まり切った水面に小さな波紋を生み、そして再び少し浮き上がって水と数ミリ離れた空間の上に立った。
その傍に降り立ち、私はそっと女に左手を差し出した。
「…さぁ、私と踊れ」
「…は、はい…っ、…?」
女の柔らかで温かな指が、ゆっくりと私の冷たい手に載せられる。
「…そうだな、初めはワルツ…」
手を叩く。
それだけで女の服は魔術の媒介であるマフラーを残して、鮮やかな血の色をしたロングドレスと同色の長手袋と高いヒールに代わる。
「…わ、ぁ…?」
女は余りの驚愕に言葉を失い、そのまま固まる。
長年生きてきた私の無味乾燥な人生に、一筋の光と色が射した。
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眼鏡&眼帯
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*SSU* - カルラ様〜〜〜〜〜〜♪愛してる〜〜〜♪ (2020年5月10日 2時) (
レス) id: b6be28c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 忘れてましたが！詩音は、私の3DSのアカ、こっちはスマホのアカになります。 (2017年7月4日 18時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - ゴミみたいな下手な絵でカルラさん御免なさい… (2017年7月4日 17時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - 携帯買ったので、一々パスワード入れずに済む…っ!！( ≧∀≦)ノ嬉しい (2017年7月2日 20時) (レス) id: 7eba9d74c6 (このIDを非表示/違反報告)
詩音 - Schicksalさん» そうですね。カルラさん好きの人に会えて光栄です!!これからも閲覧宜しく御願い致します♪ (2017年6月27日 22時) (レス) id: 30e1d5a9e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詩音 x他1人 | 作成日時：2017年4月2日 21時
