おいよさん、恋したらしいってよ ２

ごじゅうろく ページ17

A side




戦争が終わって早数日


私たちの店は通常通りに再開し、店を営業してなかった反動かここ最近は特に忙しかった


きっと城の人も忙しいはずなのに、おいよさんは変わらず毎日来てくれるし、おいよさん以外にも城の人は沢山来てくれている


忙しいのに、本当に感謝しかない


しかしこの頃、またも異変を感じてきている





『(……っ、今日もだ……)』





誰かに観察されている


仕事中なら見られていても仕方ないとは思う


だが、仕事以外でも視線を感じるなんて普通じゃないだろう


敵による情報収集の観察か？


なくはない


前回もおいよさんが通ってる店だと割られて攫われてしまったし、今回もそうなら気を引き締めなければならない


しかし、どこかそうではないと思っている


なんだか……視線に含まれている熱が違う気がするのだ


害はないような感じなのに、見られているだけでここまで悪寒がする視線を向けられているのは初めてで、ものすごく気味が悪い


これは、早めに手を打たなければないのだろうか……


いやでも、危害を与えてくるような感じでもないし……





oi「……さん、Aさん？」


『えっ、あ、はいっ！』


oi「どうしました？急にボーッとして」


『え……す、すみません！ご注文の品お届けに参りました！』





いけない。仕事中にボーッとしてしまった


いくら最近バイトの人が増えてきたからって、仕事を怠ってはならない


今は集中しないと……

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