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「…はぁぁ」
「…寒いっ」
古い駅
汽車は一時間に一本
しかも大雪
「時間通りに来たらいいけど…」
予定通りの運行ならば
あと10分で汽車は到着する
周りには何にもない…
私以外に誰も汽車を待つ人もいない
本当に田舎だ
見渡せば数件の家だけ
雪は容赦なく降り続ける
「………」
寒いから
「………」
寒いからこんな気持ちになるんだ
シンシンと雪は頭上に降り続ける
それに背くように
下を向くだけ
ポタポタポタポタ
下を向いて流れる涙が止まるのを待つだけ
何故だろう？
自分で決めた事なのに
何故
涙は流れてくるんだろう
いつまで…こうしていたのか
頭に
コートの襟が開いた首筋にかかっていた
雪の冷たさがなくなり
今…きっと今………望んでいた
聞きたかった
声が聞こえる
頭上に差し出された傘の影
ゆっくりと見上げたら
頬に伝う冷たい涙と
ビニール傘を持つ
シブタニさんの姿
『こないに頭に雪かぶって」
『寒いやろ？今日の雪はめっさ湿っとるし』
『早よ…風呂入ってあったまらんと』
頭の上の雪を
優しく振り落とす…シブタニさんは
『一緒に………』
『帰ろ………A』
初めて呼ばれた名前
シブタニさんが差し出した手に
触れるまで
あと………数センチ
遠くで汽車が到着するアナウンスが聞こえた
end
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じゅん(プロフ) - さくらんぼさん、読んでいただきありがとうございます！感動までしていただいて嬉しい限りです。番外編思いつきましたら書きたいと思います♪ (2016年1月31日 10時) (
レス) id: e8057a0471 (このIDを非表示/違反報告)
じゅん(プロフ) - さらんさん、とても嬉しいお言葉ありがとうございます。なんせ気まぐれ作品なものでまだ番外編とかは考えていませんが思いついたら書いてみたいと思います♪ (2016年1月31日 10時) (レス) id: e8057a0471 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - すごく感動しました！番外編書いてほしいです (2016年1月31日 2時) (レス) id: 3f146b3021 (このIDを非表示/違反報告)
さらん(プロフ) - 読み終わったあと涙が出ました。番外編とか書いて欲しいくらい大好きな作品です。 (2016年1月31日 0時) (レス) id: 874e77fd74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じゅん
| 作成日時：2016年1月30日 23時
