俺には… ページ1
「まただ…」
仕事終わりに開いた携帯、見慣れた短い文章
『腹痛い』
たったそれだけ それだけの文章に
私はいつも通り溜息をつく
『次決まるまで手伝って』
「シブタニさん、副業は禁止されています」
『俺とお前の間に雇用関係ないならええんやろ？』
「…そ、うですね」
『せやったら金払わなかったらええんやろ？』
「…タダ働きですか？」
『金の代わりに…飯食わせたる』
「………」
『ならええやろ？こんな田舎でな？』
『中々働き手見つからんて』
『俺、困るん』
『お前の都合ええ時に来てくれん？』
思わずはいと答えたのは
シブタニさんの作る御飯が美味しいから…
頑として受け取らなかった鍵を…
初めて見せた切なすぎる表情を…
約束通り
時間がある時にしか私はお店に来ない
少ない時は週1
多い時は週3
そして………いつからか始まった
シブタニさんからの連絡
「………シブタニさん元気そうですね」
『あー、ちょっと前に治った』
「シブタニさん…頻繁に痛くなるって」
「少し異常ですよ？」
「一度きちんと診てもらった方が…」
『俺な、病院嫌いなん…信用しとらんし』
「病院勤務の私に言いますか？普通…」
『………………』
「シブタニさん…仮病ですか？」
『ちゃう………』
「はぁ…とにかくその度に呼びつ………
『お前だから…』
「え？」
『お前しか………信用しとらんから』
どうしてそんなに
拗ねた顔するんですか？
………どうして
そんな心がざわつく言葉を…
『お前の顔…見たら治るんや』
そのままシブタニさんは
ソファで毛布を被り寝息を立てた
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じゅん(プロフ) - さくらんぼさん、読んでいただきありがとうございます！感動までしていただいて嬉しい限りです。番外編思いつきましたら書きたいと思います♪ (2016年1月31日 10時) (
レス) id: e8057a0471 (このIDを非表示/違反報告)
じゅん(プロフ) - さらんさん、とても嬉しいお言葉ありがとうございます。なんせ気まぐれ作品なものでまだ番外編とかは考えていませんが思いついたら書いてみたいと思います♪ (2016年1月31日 10時) (レス) id: e8057a0471 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - すごく感動しました！番外編書いてほしいです (2016年1月31日 2時) (レス) id: 3f146b3021 (このIDを非表示/違反報告)
さらん(プロフ) - 読み終わったあと涙が出ました。番外編とか書いて欲しいくらい大好きな作品です。 (2016年1月31日 0時) (レス) id: 874e77fd74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じゅん
| 作成日時：2016年1月30日 23時
