06.世界史のセンセイ ページ6
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ーーー…和也『ちゃんと言えんじゃん』
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どうしよう。
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雅紀「ニノー、購買行こー」
和也「うっす」
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何故だか、あの日以来私の頭の中で二宮くんの笑顔が離れません。
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彩音「顔」
「……」
彩音「か・お！めっちゃ気持ち悪いけど」
「へっ」
彩音「重症だな、オイ…」
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二宮くんの席は、窓際一番端の一番後ろ。いわゆる「神席」とみんなに称えられる席で
私の席はちょうどド真ん中の、前から3列目。つまり二宮くんとは別に近くも遠くもない。
なのに、わざわざ授業中。いつも居眠りしているってわかっているのに、後ろを盗み見てしまうのは。
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きっと、私の目がおかしくなっちゃったからだ。
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＊「Aー、松本先生が呼んでる」
「あ、ありがとう」
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そんな悩みを方程式のように、脳裏にツラツラと並ばせて廊下を歩く。
こんなの私じゃないみたい。でも方程式を作ったからには答えが出ないとスッキリしない。
いっつも感情がないような瞳をしていたのに、いきなり笑うなんて
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反則、な気がする。
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「失礼しまーす」
潤「お。来た来た、委員長」
「…呼ばれたから来たんですけど」
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私が少し眉を下げてそう言うと、進路指導室にいつもいる世界史の松本先生がとびっきりの笑顔を見せた。
……ハァ、女の子がコロッとくるわけだ。
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潤「次の授業でこの道具使うからさ、運んでもらえたらなーって思って？」
「そんな媚売らなくても委員長なんでやりますよ」
潤「さっすが委員長！話が早いね」
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先生はそう笑うと、なかなか重そうな荷物を私の方へと向けて持ってくる。
そんな様子をぼけーっと眺めながら、ふと思い出したことを口にした。
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「そう言えば先生、この前ウチに忘れ物していきましたよ」
潤「え、嘘」
「イヤホン。紫の。あれ先生のでしょ？」
潤「あー、やっぱりお前んとこにあったか。今夜取りに行くわ」
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よかったよかった、って安堵した先生は「じゃあよろしく」って容赦なく重い道具を私におしつけてきた。
……これは予想以上の重さ。
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