04.その正体は毒舌王子様 ページ4
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夢を見ているのかと思った。
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取り敢えず、駅員さんが電車に乗り込んできてあのオジサンを捕まえて
私と二宮くんも、なんとなくその駅員さんを追うようにその駅で降りて
ジタバタ暴れるオジサンを見送りながら、電車が去ったホームにふたり。
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ヘッドホンを、首にかけたまんまの二宮くんとふたり。佇んでいた。
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ドキドキ…、と割と真面目に弾けそうな心臓を落ち着かせて
どうにかヘッドホンを着けられる前に、「ありがとう」を言おうと息を吸ったら。
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和也「アンタバカなの？」
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開口一番が、コレだった。
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「は……い？」
和也「あんな気持ち悪いおっさんに触られて、なんで黙ってんの？」
「…それは、」
和也「の割には泣きそうな顔してるし。意味わかんねー」
「……、」
和也「嫌なら嫌って言えよ。口があんだろーがよ」
「ぁ…の」
和也「俺が助けなかったらどうせずっと黙ったまんまだったんだろ？めんどくせー」
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……、こんなに二宮くんの声聞いたことなかった。こんな声をしていたんだ。
って、思わないと泣きそうだった。
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ズバズバと私の欠点を言って行く二宮くん。横を見ると、ズボンのポケットに両手を突っ込んで足をクロスさせて立っている二宮くんがいて
あ、かっこいいな。って思うのと同時に怖かった。
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でも助けてもらったわけだし、ちょっと黙ってよう。って思ったのに。
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和也「言いたいことあんなら言えや」
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これが引き金だった。
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「…………だもん」
和也「え？」
「………、二宮くんはなんっっっも分かってない！」
和也「え゛」
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風でスカートが少しだけ揺れた。
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「女の子は！大抵我慢してんの！下手に動いたらもっと怖いことされるかな！とか！恨まれちゃうかな！とか思っちゃうの！」
和也「……」
「大体、あんな大人数の前で騒ぎ立てるのも無理！恥ずかしい！だったら我慢した方がよっっぽいどマシ！」
和也「…」
「みんながみんな、二宮くんみたいに強くないんだよ！バカ！」
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あ、やっちゃった。
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05.優しさに触れてしまった→←03.ヘッドホンをつけた王子様
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