27.女子力高めの旅 ページ27
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ヴー…、ヴー…。と鳴ったのは間違いなく私のスマホだった。
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彩音「じゃあねー、また明日」
「うん、また明日」
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ガヤガヤとした教室。カラオケ行くー？なんていう声も聞こえてくる、そんな放課後。
明日は文化祭の準備で放課後、みんなで残ることになっている。
だから今日は少しだけ帰りが早かった。
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“今日って、空いてるかな？駅前に新しく出来たパンケーキ屋さん行かない？Aちゃんのこともっと知りたいし”
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5限の数学の時間帯に来ていた、そのメッセージはどこか浮いていて
特に断る理由もないし。“うん、いいよ”とだけ返した。
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教室を出るときに、ふと後ろを向くと一番後ろの席で相変わらずヘッドホンをして突っ伏してる二宮くんがいて
その相変わらずの猫背に、胸がギシ……。と軋んだ。
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駅前のパンケーキ屋さんなんて、行ったことないなぁ。
そんな女の子っぽいことしたことないなぁ。せいぜいサーティワンとかかなぁ。なんて思いながら
まだ15時台の眩しい空を仰ぐ。今日聞いてみよう。菜月ちゃんに、二宮くんとの関係は、って。怖気づかずに聞いてみよう。
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それが一番の得策だ。
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菜月「あ！Aちゃん、こっちこっち！」
「あ、遅くなった？ごめん」
菜月「ううん私も今来たところ。行こ？」
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パンケーキ屋さんの前で、待っていた菜月ちゃんはやっぱり可愛くて
肩につくぐらいの髪の毛に、リボンにベスト。スカートは短くて、そこから伸びてる足はモデルさん並みに綺麗で細い。
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パンケーキ屋さんに入っても、どことなく注目を浴びてる気がした。
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菜月「わ…、美味しそう。ベリー&キャラメルパンケーキとか美味しそうじゃない？」
「ホントだ…、全部キラキラしてる」
菜月「女子力高くない？私たち(笑)」
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ちょっとおどけた表情でそういう菜月ちゃんは、やっぱり女の子からも好かれるタイプで
絶対クラスの人気者になる人だ。
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そんなこんなでお互い注文を済ませて。お互いの自己紹介やら
何気ない世間話をして、笑って。普通にいい子じゃん、って思って
話を進めていると、パンケーキがやってきた。
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