24.甘えて、甘えられて ページ24
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「よかったー、予算越えなくて！」
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そんなこんなで買い出しは無事に終わり。買ったものを袋に詰めて、外へ出る。
すると今日は学校が終わるのが早かったから、まだ空には太陽が昇っていて
それは少しだけ暑さを感じさせた。
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ノソノソ、と歩きながら両手に買い物袋を抱えてアスファルトを蹴っていると
不意に右手が軽くなる。
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「えっ、ちょ、二宮くん」
和也「ナニ」
「重いよ！それ！二宮くん、２つも持ってるのにまた持ったら重いよ！腕折れるよ！」
和也「……あのさぁ」
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和也「重いから俺が持つんじゃねーの？」
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……もう。もうもうもう！
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和也「それに俺、お前より軟弱じゃねーよ」
「でも絶対二宮くんの方が細いよ…」
和也「さすがに筋肉の有無なら俺の方が勝つの。頭いいんだからそんぐらい分かれや」
「でも……」
和也「ウジウジうっさい。黙って甘えてればいいんだよ、アホ」
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もう、どうしろって言うの。
こんなことされて。優しくされて。少しだけ笑ってもらえて。
こんなんで好きになるなって方が無理だよ。ポロン…、って好きがこぼれ落ちた。
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「あ、アホじゃないよ。少なくとも二宮くんよりは！」
和也「あ？」
「私知ってるよ。二宮くん、文系徹底的にダメなんだって？」
和也「は……」
「残念ながらオール80点以上ですよ！私！」
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ベーッ、だって笑うと二宮くんは。
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ーーーー…二宮くん、は。
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和也「そーいうことじゃねーんだよな！バカ(笑)」
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くははっ、って顔をくしゃくしゃにして私を瞳に映して笑った。
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笑った。
笑った。笑った。嘘でしょ。この前みたいな少しだけ、じゃない。
顔をくしゃくしゃにして、くくく…ってまだ笑ってる。
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なにその隠された兵器。そんなん使われたら、私すぐに死んじゃうよ。
もう一瞬でハートが射抜かれちゃうよ。
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「二宮くん」
和也「ん？」
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未だに笑ってる二宮くんに話しかける。でもその声は。
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* 「和くん？」
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甘い声によって、掻き消された。
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