23.「変な女」 ページ23
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さっき頭を撫でられた感触が忘れられない。
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和也「えーっと？水風船？何に使うのこれ」
「ヨーヨーだったっけな。それで」
和也「ふーん」
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二宮くんは大してそんな関心もなく、水風船をまじまじと見るとテキトーに買い物カゴに投げ入れる。
その瞳が大きくて、かわいい。
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ーーー…学校から少し歩いた、ホームセンター。
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私たちはそこにやって来て、文化祭の買い出しやらなんやらをしていた。
来る途中、気まずくなるかなって思ってたけど好きな食べ物は？とか今日の学校のこととか。
色んな話をしてたら、そんな道はあっという間で。私は笑っていたけど、二宮くんは相変わらずのぶっきらぼうな顔だった。
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「本当に二宮くん、文化祭に興味ないんだね」
和也「めんどくせー」
「模擬店とかは？やっぱり回らないの？雅紀くんと」
和也「……雅紀くん？」
「え？あ、相葉くんのこと」
和也「……あ、そ。別に？アイツはアイツで違うヤツと回んじゃねーの」
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二宮くんはそう投げ捨てるように言うと、買い物カゴに輪ゴムをテキトーに入れていく。
そんなに輪ゴムいらないんじゃ…。って思いつつも、二宮くんの横を歩く。
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和也「アンタは？」
「えっ？」
和也「回んの？」
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前々から思っていたけれど。二宮くんは主語がないから、何を聞いてるのか一瞬迷う。
「回んの？」って何が、って思ったらこの話の流れからしたら模擬店か。って理解して「ううん」って答えた。
二宮くんがピタリ、と止まって私の顔を見た。
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胸が炭酸みたいに弾けそうで怖い。
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和也「回んねーの？」
「うん。ステージ担当になっちゃったから」
和也「ステージ担当？」
「あ…、二宮くんいなかったもんね。午後のステージでのパフォーマンスを裏で支える役割に当たっちゃったからさ」
和也「午前は？」
「午前は普通に教室の出し物の仕事してるもん(笑)」
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あはは、って私が何気なく笑うと。二宮くんは少しだけ呆れた口調で、小さく。か細く。
ぼそり、と呟いた。
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和也「……変な女」
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