22.世界一破壊力が強いバカ。 ページ22
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複雑な心持ちのまま、時は流れ放課後。
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SHRが終わって、ざわざわと騒つく教室。私はカバンに教科書やらなんやらを詰め込んで
一人で買い出しに行こう！と椅子から立ち上がる。
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…たちあが、る。
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「へ……」
和也「…ナニ」
「な、なんで」
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私の席の真ん前に気だるそうに、ヘッドホンを首にかけて。グレーのパーカーをブレザーの下に着て。
両手はズボンのポケットに入れたまま。私を見下ろしてる二宮くんがいて
あちらこちらで今日の昼休みの経緯を知らない女子たちがざわめき出す。
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「委員長とにのみやくん、話してんの？」
「にのみやくんが女子と話してるー…」
「珍しすぎない？マジで？」
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そんな喧騒も、彼にとってはただのボヤキらしく。
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和也「ーーー…行くんだろーが」
「えっ」
和也「めんどくせーな」
「えっ！？えっ？」
和也「チッ」
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舌打ちされたーーー！
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嘘でしょ！？ってアワアワしてたら、二宮くんが机の上にある私のカバンを手に取って
そのまんま、スタスタと教室の入り口まで去っていってしまう。
慌てて私が後を追うと、後ろを振り向いて。私と目があって「バーカ」って少しだけ笑われた。
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なにその世界一破壊力がある、「バーカ」…！
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わたし、二宮くんといると本気で心臓壊れんじゃないかな。
ドキドキしすぎて泣きそう。最早泣きそう。先をスタスタ行ってしまう二宮くんを慌てて追いかけて
玄関まで行って、靴を履き替えて。ぼん、とカバンを投げられる。
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二宮くんが靴を履き替えているところを眺めて、なんとなく今なら言える気がした。
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「二宮くん」
和也「あ？」
「…その。…この前は、ごめん」
和也「……」
「ちょっと突っ掛かりすぎた。ごめん」
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私がそう言うと、二宮くんは靴を靴箱に入れて、バタン！と閉めると
私を見つめながら、こちらへやってきて。私の横に来たと思った時
私の頭をぽん、と撫でて。
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和也「ーーー……別にもう怒ってないけど？」
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って、ぶっきらぼうに言った。
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