20.越えられない壁 ページ20
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境界線、と言うものを引かれたような気がした。
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雅紀「いいんちょー！そっちのクラス何するか決まったー！？」
「雅紀くん。うん、私のクラスは縁日することになって」
雅紀「そーなの！俺んとこお化け屋敷！」
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ーーー…和也『その理由、アンタに言う必要ある？』
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あの日の帰り道。電車に乗るなり二宮くんは違う車両の方へと行ってしまって
さすがに私は追いかけられなくて。ただただ、どことなく空いている電車に揺られて家に帰った。
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なにがいけなかったのか、と問われたらきっとギターのことをしつこく言ったことだと思って
翌朝も、その次の朝も。二宮くんが話しかけてくれるのとはなくて。私も話しかけられなくて
文化祭実行委員も、彼は来なくて。そのことを雅紀くんに言ったら「そっかー」って悲しげに目尻を下げて。
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その日から、雅紀くんは「俺のこと雅紀って呼んでよ！仲良くしよ！」なんてニコニコ笑ってくれて
雅紀くんに好きな人がいること、好きな食べ物、色んなことを話して。友達になれて。
ーーー…でも、相変わらず二宮くんとは話せなくて。
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ぐるぐる、ぐるぐる。忙しすぎて目が回って仕方なかった。
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雅紀「まだニノ、いいんちょーに話しかけてないの？」
「え？あー…、うん。そうだね。話してない。っていうか女子みんなと話してないよ」
雅紀「そっかー。せっかくニノが女の子と話してるって思って嬉しかったのになぁ」
「…あのさ」
雅紀「うん？」
「なんで二宮くんって女の子とーーー…」
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“話さないの？”
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そう言おうとした時。ガラガラ、と教室の扉が開いて委員長たちがやって来る。
そうだ。今は放課後の文化祭実行委員の集まり。雅紀くんのクラスの女の子は風邪で休みで
二宮くんは相変わらずサボり。だから雅紀くんと話してた。
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委員長「えーっと、今日はステージ担当を決めます」
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ザワザワとざわめく教室。この前教えてもらったけどステージ担当はめんどくさいらしい。
何より、午後のパフォーマンスとかのために模擬店を回る時間もなくなる。
そんなのは嫌だなぁ、とつくづく思って頬杖をついた。
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