18.ギターを弾く春 ページ18
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主に体育館を使うのは、午前中はクラスの出し物。午後からは部活や個人的なパフォーマンスなど。
でも最近、午後の出し物が少なくて困っているらしい。注意書きに「スカウトなども実施して下さい」なんて記されてる。
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すると、それを見兼ねた相葉くんがツンツンと私の背中をシャーペンで突いてきた。
それも、二宮くんにバレないように。
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私もばれちゃいけないのかな、って思って二宮くんがテキトーにプリントに目を通してる間に後ろを向いて
ちょっぴり悪戯を思いついた、無邪気な男の子の笑みを浮かべて私に囁いた。
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雅紀「ニノね、ギター出来るんだよ」
「え…、そうなの？」
雅紀「うん。しかもなかなか上手なの」
「そうなんだ…、聞いてみたいね」
雅紀「でしょ？聞いてみたいでしょ？だからさ」
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雅紀「委員長、ニノが文化祭で弾いてくれないか説得してくんないかな？」
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俺が頼んでも絶対やんないんだよ。でもねニノってねギター弾いてる時すっごいキラキラしてるの。
ほら、ヘッドホン。いつもしてるでしょ？すっごい音楽好きなんだよ。
だからね、文化祭で。しかも体育館で歌って弾いたら、ニノ絶対キラキラすると思うんだ。
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委員長、説得してくれないかな。
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……なんて言われたって。
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「無理だって…」
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ーーー…結局。あれから数分で委員会は終わって、じゃよろしく！なんて走り去っていった相葉くん。
そんな悩みの種を植え付けたまま、私は二宮くんなんてほっといて
トボトボ…。と1人寂しく家路を辿っていた。
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空に星がキラキラ輝いてる。
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大体、二宮くんがギターを弾くことすら知らなかった。でも絶対かっこいい。
ヘッドホンでいつもなに聞いてるんだろう、って思っていたけれど。音楽が好きなら納得。
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「ーーーー…」
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うん。絶対かっこいいよ。
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想像しただけで、少し顔が熱くなる。ううってなりながら駅へと急ぐ。
…とは言っても、まだ学校から出たばかりだから駅までは少しある。
春。でも少し肌寒い。
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そんな時だった。
ぽん、後ろから肩に手を置かれた。
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