13.電車に揺られて想いも揺られて ページ13
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二宮くんのことが、好き。
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「…あ。」
和也「……」
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それはいわゆる「恋」と言うやつなのだろうか。
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「お、おはよう」
和也「……うす」
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朝の通学電車。満員電車。
二宮くんは座れなかったのか、入り口付近に扉を背もたれにしてスマホをいじっていて
珍しくヘッドホンは首にかけたまんま。音楽聞いてないんだ。
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「は…、じめてだね。朝電車で会うの」
和也「………」
「いつもこの時間帯だったの？」
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ガン無視か！またガン無視かこのヤロー！
うう、って落ち込んでギュウギュウとした満員電車に揺られながら二宮くんの隣をキープする。
もしかしたらウザがられてるかもしれない。でもなんだか隣に居たかった。
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これが恋っていうんなら、恋なのかもしれない。
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「痛…」
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相変わらずスマホをいじって、私の質問なんかガン無視の二宮くん。
ちょっとマンガのことで仲良くなれたかなって思ったの、勘違いだったかな。
ちょっとした自惚れだったのかな。なんて思ってチラリ。と横を向くのと同時にグッ…って誰かに足を強く踏まれた。
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痛。と思わず呟いた瞬間だった。
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グイッと引っ張られた腕。「え…」って目をパチパチとさせて、3秒。
トン…。と私の顔の横に置かれた、二宮くんの手。
片方の手は相変わらずスマホをいじっていて、こっちなんかは見ない。
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見ない…けど。なに、この状況。
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グイッと引っ張られたかと思ったら、私はさっきまで二宮くんがいた場所にいて
つまり、扉を背もたれに出来て。え？って思ったらトンと顔の横に手を置かれて。
真正面を見たら、私より背が高い二宮くんがスマホをいじっている。私は彼の腕の範囲中にいる。
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つまり。これは。
女子が夢にも思ってしまう、電車内での自然な壁ドンではなかろうか。
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へ、へって頭ん中がパニックになっている。
どうしよう心臓飛び出そう。
今日私死ぬかもしれない。
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そんなことを思っていると。
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和也「……アイツとどんな関係なの」
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ぶっきらぼうに、彼が言った。
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