01.私の天敵 ページ1
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私には天敵がいる。
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彩音「何してんのアンタ」
「…、今日もバトルを…しておりまして」
彩音「ああ、二宮くん？」
「そう…、見て。あの完全防備体制！『俺に話しかけんな』オーラむんむん！」
彩音「ヘッドホンしてるしね」
「うん」
彩音「寝てるしね」
「そう！ヘッドホン＋居眠り＝最強二宮くんの出来上がりだよ、分かる！？」
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私がそう言うと、私の親友である彩音は「あー、うんそうねー」なんてテキトーな返し方。
そう。
私には天敵がいる。
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「あのー…、二宮くん」
和也「……」
「プリントを……、回収してもよろしいでしょうか」
和也「……」
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ハイきた！安定の無視ですね！知ってました！大体察してました！
なんで私委員長なんかになったんだろう。…いや推薦だ。元々なりたいなんて思ってない。
だけど委員長になったからには雑用に使われるのが責務というものでありまして
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“プリント集めてこい”と言われたら集めるしかないんですよ。ええ。
それで毎回、集めるのに私の天敵である二宮和也はヘッドホンして居眠りの最強防備体制。
何を話しても聞いちゃいない。絶対聞く耳を持っていない。
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彩音「先生に言っとけば？どう頑張っても無理でしたーって」
「この前それ先生に言ったら殺される目つきで睨まれたの！怖いの！」
彩音「櫻井先生？そんなに怖い？あの人全然怖くないけど」
「ダメだな、彩音。あの人は怖い。紳士って言われてるけどあの人は怖い」
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チッチッ、っておふざけをしてたらあっという間に時間は過ぎる。
私は慌てて二宮くんの机の真正面にしゃがみこんで、「おーい…」って囁くと。
……囁くと。
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「ひっ！？」
和也「……近い」
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パチリ、と透明な瞳が開いて。私を真正面に見つめ返す。居眠りの格好をしたまま。
ジャンジャン、となんかの音楽が聞こえて少しだけ親近感。
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「あっの！プリント！ください！」
和也「……いらねー」
「あっ！」
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指先が触れそうになった瞬間。
彼はプリントをひらひら、と床に落とした。
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