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「キミがどうしてこんなところにいるの？」
一つ一つ聞いてこの状況を理解しようとしているのだろう。
私はある程度彼のことを知っているが、彼はこの二年間の私なんて何一つ知らないのだ。
「Aさんは私の幼馴染なんですよ」
私たち以外にお客さんのいない平日の午前である。
ケーキを運んで来た一織くんは私の代わりにそう答えた。
「一織の幼馴染で天にぃの知り合い…！」
ケーキに美味しそうと目を輝かせてから七瀬陸さんはびっくりしたようにそう言った。
天の方はケーキに目もくれず困惑と驚愕をまぜたような複雑そうな顔でこの言葉の意味を噛み砕いているようだ。
「実家はこの近くにあるの。
だから幼い頃は一織くんとか三月くんとよく遊んでて。
十歳の時からおばさんの家に住むようになった後に天と知り合ったから…」
一織くんはなるほどといった表情に変わって一織くんはまだ仕事があるようで裏方に戻って行った。
まだ腑に落ちない顔の天に夏休みだからと言えば彼もまた納得した様子である。
未だ信じられないと思っているようだが。
「そう、こっちは陸」
今更ながらというように赤髪の少年を指す。
「はじめまして！
えっと…、A、さん？
オレは七瀬陸です。よろしく！」
陸さんは元気な声でそう言って笑顔を見せる。
天と同じでとても綺麗だったがあどけなさの残る顔つきだ。
たしか音楽番組で見た天の名字は九条だったのでなんとなく不思議だが、九条というのはもしかすれば芸名なのかもしれない。
「陸さん、こちらこそよろしく…お願いします？」
敬語とやらを使うべきか迷って結局、陸さんにかしこまらなくても良いと言われたので今度からは外しておこう。
「あと、天にぃのこと呼び捨てみたいだし、オレも陸で良いよ！」
彼はそれに続けるように流れるように喋った。
すぐにハッとして口元を押さえていたのはどうしてだろうかわからなかったが。
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汐見(プロフ) - 結夏さん» 素敵な感想ありがとうございます。励みになります。これからもそう思っていただける作品になったらと思っております。同時に更新、大変お待たせをいたしました。これからもこの作品並びに不束者ですが汐見をよろしくお願いします。 (2019年11月27日 20時) (
レス) id: ff314090b7 (このIDを非表示/違反報告)
結夏 - とても面白く、お話の世界観に引き込まれ時間も忘れて読み進めてしまいました。更新お待ちしております。 (2019年6月30日 14時) (レス) id: 1273e93dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：汐見 | 作成日時：2018年11月16日 19時
