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「じゃあさこの間のミュージカルどうだった?」


天が主演を務めたミュージカルはさすが同じダンススタジオに通うだけ、というかきっとお母さんから聞いたのだろうか、彼女の耳にも届いていたようで。

私がミュージカルを観に行くと言ったら即座にこれでしょ?と当てられたから。

でもどうして急にこの話なんだろう。


「え…? ミュージカルは面白かったけど…」

「どうして今この質問?みたいな顔してるね、A」


全くおっしゃる通りである。

「まあそれは後で答えるとして…、
 面白かっただけ?」


彼女は一旦置いといて、と質問を続ける。


「んー…、演技とか歌とかもすごかったよ…?」


私は彼女の質問の意図なんてわからないからさっきと似たようなことを並べた。


「あれ恋愛ものだったでしょ」


「うん、それがなんか関係あるの…?
 あ、そうだ、観た後にもやもやっていうか心に引っかかってるものがあるみたいな感じはしたけど…。
 他には特に…」


私は喋るうちに思い出した小さなことを話す。


「ほんっと、疎いの」


彼女は呆れるように吐き捨ててこう続けた。


「天とヒロインの子にもやもやしたんじゃないの?」


言われてみればその通りで劇中とはいえ仲良くして結末には恋仲になるなんて嫌だ、
なんて思っていたことに気付く。

私がこくりと頷けば、彼女はやっぱりと言うように微笑して


「それが嫉妬ってやつだよ。
 劇中、ずっと天のこと見てたでしょ」


嫉妬って…。

たしかに天の隣に立つヒロインを見て羨ましくなってた。


「うん」


彼女のもはや断定のような質問に短く返す。

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汐見(プロフ) - 結夏さん» 素敵な感想ありがとうございます。励みになります。これからもそう思っていただける作品になったらと思っております。同時に更新、大変お待たせをいたしました。これからもこの作品並びに不束者ですが汐見をよろしくお願いします。 (2019年11月27日 20時) (レス) id: ff314090b7 (このIDを非表示/違反報告)
結夏 - とても面白く、お話の世界観に引き込まれ時間も忘れて読み進めてしまいました。更新お待ちしております。 (2019年6月30日 14時) (レス) id: 1273e93dd3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:汐見 | 作成日時:2018年11月16日 19時

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