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#8 ページ9

シャワーと泡が背中を伝う。

親が留守にしていたため、帰宅後、堂々と3人で電話をし、テヒョンが宿題がこのままだと終わらないといったことで、通話は終了した。


今は、明日何しようかなー、と思いながら風呂に入っている。


私達3人とも何か特別なことをしているわけでもなく、毎日を適当に過ごしている。

そんなんでいいのかよ、と悩み出すと気になるから悩まない!と3人で話したことがある。



髪を洗い終わり、顔を洗い、少し少なめのお湯に浸かる。入浴剤は森の香り。

でも森ってこんな匂いしないよなーとか、そもそも森ってどんな匂い?とか考える。


「もう1日終わりか…」




ぼそ、と呟くと浴室に思ったより声が響く。

昔に比べたらかなり安定した生活、居心地の良い人と多く過ごし、苦手な人と過ごす時間は減らし、無垢に笑い合うさま。



何一つ、足りないことはないはずだ。
楽しい、という感覚はきちんとある。


私は、恐れているのか?
この日々が崩れることを。いつか必ず変化は訪れる。


一人でいるときの虚無に耐えられていないだけで、つまらないとか思ってはいない。波乱だとかは、────。

ほんの少し、非日常な波乱を願った。
そしてそれを取り消し、日々が崩れないよう願った。


だけど私は知っている。こういうときに、神様は都合の悪い願いしか拾ってくれないのだ。

私はお湯に口まで沈める。
言葉として表せない気持ちは、口から出るあぶくに姿を変えた。



* * *

アラームを止めたと同時にカトクの通知がなった。今朝も鳥がさえずっている。

むくんだ目で通知を見ると、テヒョンからだった。グループカトクに。
こんな早い時間に何なんだろう。少なくとも寝坊ではない。


トーク画面が開く。




テヒョン
  どうしよ熱出た、どうしよ






「え」

文を読むと同時に、眠気が全て吹っ飛んでいった。

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作者名:塩未 | 作者ホームページ:https://shiomi-sg.hatenablog.com/  
作成日時:2020年9月20日 20時

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