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シャワーと泡が背中を伝う。
親が留守にしていたため、帰宅後、堂々と3人で電話をし、テヒョンが宿題がこのままだと終わらないといったことで、通話は終了した。
今は、明日何しようかなー、と思いながら風呂に入っている。
私達3人とも何か特別なことをしているわけでもなく、毎日を適当に過ごしている。
そんなんでいいのかよ、と悩み出すと気になるから悩まない!と3人で話したことがある。
髪を洗い終わり、顔を洗い、少し少なめのお湯に浸かる。入浴剤は森の香り。
でも森ってこんな匂いしないよなーとか、そもそも森ってどんな匂い?とか考える。
「もう1日終わりか…」
ぼそ、と呟くと浴室に思ったより声が響く。
昔に比べたらかなり安定した生活、居心地の良い人と多く過ごし、苦手な人と過ごす時間は減らし、無垢に笑い合うさま。
何一つ、足りないことはないはずだ。
楽しい、という感覚はきちんとある。
私は、恐れているのか?
この日々が崩れることを。いつか必ず変化は訪れる。
一人でいるときの虚無に耐えられていないだけで、つまらないとか思ってはいない。波乱だとかは、────。
ほんの少し、非日常な波乱を願った。
そしてそれを取り消し、日々が崩れないよう願った。
だけど私は知っている。こういうときに、神様は都合の悪い願いしか拾ってくれないのだ。
私はお湯に口まで沈める。
言葉として表せない気持ちは、口から出るあぶくに姿を変えた。
* * *
アラームを止めたと同時にカトクの通知がなった。今朝も鳥がさえずっている。
むくんだ目で通知を見ると、テヒョンからだった。グループカトクに。
こんな早い時間に何なんだろう。少なくとも寝坊ではない。
トーク画面が開く。
テヒョン
どうしよ熱出た、どうしよ
「え」
文を読むと同時に、眠気が全て吹っ飛んでいった。
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作者名:塩未 | 作者ホームページ:https://shiomi-sg.hatenablog.com/
作成日時:2020年9月20日 20時