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#6 ページ7

あー、眠い。
とても眠い。
カリカリというシャーペンの音と教師の声は、どんな睡眠用BGMよりも眠くなるレベルだ。


「…パク!!パクジミン、」
「ひっ、はい」



寝る寸前で教師に名前を呼ばれた。これが一番厄介なのだ。寝てないのに寝てると思われる。どうせなら完全に寝てしまった10分後くらいにでも読んでほしい。



「パク、分かるか?」
「あっ、えーと」



「はい正解」


…良かった。簡単な問題だから助かった。
この次の問題だったら確実にクラスメートにクスクス笑われていた。


「シンとは違うんだなーパクは、分かってるってことは寝てないってことだもんな」
「シン、ってAですか?」
「そう、B組のシンな、2限に居眠り」
「あれま」



そうだ、あいつらは丁度2限に数学と言っていた。まあ寝ても無理ないよ、てか寝たほうがいいよ、寝ることは授業からの脱出だ。
でもうちの組に居眠りしたことを晒されるAが気の毒ではあった。





「はいじゃあ次のページ」


ぱらりとページをめくると、ページの左下に、小さな落書きがある。


고마웡ㅠㅠㅠㅠ(ありがとう(泣))という言葉を喋り、頭の上でハートをつくる棒人間だ。

絶対テヒョン。あいつ落書きなんかして。感謝の気持ちを伝えたつもりかもしれないが、所詮落書きだし人の教科書じゃないか。俺の落書きだと思われたらどうしよ。

でも、急に心の中がぽかぽか満ちてきた。



クラスにいるときはクラスの人たちに集中して、あいつらとクラスでの生活は隔てようと意識していたのに、どうやらこれは無駄らしい。授業中にでも結局俺の幸せのもとはあいつらだった。

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作者名:塩未 | 作者ホームページ:https://shiomi-sg.hatenablog.com/  
作成日時:2020年9月20日 20時

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