-別れと再会- ページ21
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
そよそよと鬼槍ヶ峰を通り抜ける風が頬を撫でる心地よい感覚を目を閉じ全身で受け止める。
大きく息を吸い込み肺をこの慣れ親しんだ匂いで満たす。
任務に出てしまえば
暫くはここには帰れない。
新しい隊服に身を包み
影千夜からの羽織、影千夜からの襟巻き。
影千夜からの刀、自分の刀。
影千夜の意思を身に纏い鬼を斬る任務へ発つ。
ダメだ。貰ったものがあまりに多すぎる。
俺は、何か…出来たのだろうか。
いや、これからだよ。
柱になって影千夜さんの意思を引き継ぐのが俺にできる影千夜さんへの恩返しだ。
…父さんと母さんの仇も絶対に打つ。
もう俺と同じ悲しみを
背負う人がこの世に1人も居なくなるように。
「…じゃあ、俺 行きます。」
「武運長久を。坊主……いや、A。お前はすぐ無理をする。信頼し頼れる仲間は存分に頼れ。頼ることは甘えじゃない。一人で抱え込むのだけはやめろ。これは忠告で警告だ。」
「ふはっ！頼れる仲間ならもう居ますよ！ありがとうございます。その忠告、胸に刻みます。影千夜さんもお身体お大事に。手紙、いっぱい書きます！黒影に運ばせますので！読んでくださいねー！�犢圓辰討�まぁす�瓠�」
「…�犢圓辰討蕕辰靴磴き瓠�」
暫く対面して話してると泣きそうになったAはそそくさと逃げるように影千夜の脇を走り抜け振り返り大きく手を振りながら山を越え姿を消したのだった。
一際強く吹き抜けた風が影千夜からAという存在をさらって行ったかのようにも見えた。
「…さぁて。ここも随分と静かになるな。」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
「黒影！こっちであってる？炭治郎はこの先？」
「カァ！」
「了解！ありがとう！」
道に迷いやすいAだが鎹鴉が居れば迷う事もなく一目散に駆け抜けることができる。
影から影へ。
溶けるように、飛ぶように移動する様はまるで旋風の如く。
「あっ！居たーー！たーんじろぉおーーー！！」
「おぉ！Aー！」
おーいと炭治郎は手を振って応えてくれる。
菩薩かな。(何度目)
Aが近付くにつれて
両腕を広げ待ち構える炭治郎。
不思議に思いながらその手前で急ブレーキを掛け止まる。
「…何してんの？」
「いや、また勢い良くぶつかってくるかと思って…。」
幾度となく繰り返してきたタックルが若干トラウマになっていた炭治郎であった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 558人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あ - パースワード教えていただければ嬉しいです (2月29日 19時) (
レス) @page32 id: 9e43a05317 (このIDを非表示/違反報告)
こはく(プロフ) - ずっと前から見ていた作品でアカウント変えてからやっと見つけました。パスワードを教えていただけたら嬉しいです (2月8日 8時) (レス) id: 094a65f89f (このIDを非表示/違反報告)
あい - 一気に見さて頂きました。おもしろかったので続きが読みたいのでパスワードを教えていただけたら嬉しいです。 (1月25日 19時) (レス) @page29 id: b97ed817a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴえんはけつの穴 - かきなおし途中でもいいので読みたいです…この続き全部パスワード管理で寂しいです…気長に待ってます！ (10月30日 17時) (レス) @page31 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
きょむ - 前に無限列車編の途中まで読ませてもらってた者です！ほんと大好きな作品です🌼めちゃめちゃ面白かったのでまたもう1回読みたい…🥺急かすつもりは無いのでいつか読めたらいいな〜ぐらいの気持ちで待ってます！のん。さん応援してます！ (9月13日 12時) (レス) id: b566dd52f5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のん。 | 作成日時：2019年9月22日 8時
