-誰かのために- ページ36
背中から勢い良く木に衝突した炭治郎は気を失いその場に崩れ落ちピクリとも動かない。
Aは下になった炭治郎が衝撃を緩和し炭治郎ほどの衝撃はなかったものの、腹や額の開いた傷口からの出血が止まらない。
しまった…ッ！
傷が…！
そんなことより炭治郎さんは…！！？
「炭じろ、さ……っ、」
「……。」
厄除の面、と呼ばれた狐のお面がカラリ、と音を立てて崩れ落ち額に負った負傷もあり血が止まる気配はない。
地面に吸われて行く血が。
その光景が。
再び、両親の姿と重なってしまう。
無力な自分が何もできずに地面に蹲っていたあの頃と。
このまま鬼に食い散らかされる炭治郎さんの姿が。
ゼェ、はぁ、とAの肩が揺れ呼吸が乱れる。
頭を埋め尽くす最悪の光景に血の気が引くのがわかる。
のそりのそりと鬼が2人に近づいて来る。。
Aは揺れる視界の中
炭治郎を庇うように立ち上がり刀を構える。
鬼を見据えたその瞳に切れた額から流れ落ちる血が滴り、頬を伝いぽたた、と地面に吸われて消えて行く。
＿＿と、同時にAの思考が霞み始め、鬼へ向け構えていた刀の刃先がストンと地面に落ちる。その刃先が地面に触れた途端、Aは
「＿＿ッヒヒヒヒ、また鱗滝の餓鬼が死んだ。アイツ、また自分の餓鬼が帰って来なくてどう思うんだろうなァ。」
「………。」
「稀血のガキは随分静かになったな。ッヒヒヒ。諦めたか。じゃあ2人仲良く食ってやろうなァ…！」
ニュルリと音を立てて鬼の手がAと炭治郎へ迫る。
＿＿ゆらり。
怒りを纏ったAは
一瞬の揺らめきの後、姿を消していたのだ。
迫る無数の手を斬り落としながら一際大きな本体の影へと一気に距離を詰め間合いに入り込む。
「＿＿影の呼吸 壱ノ型�牘篤Г澂瓠�」
ダン！！！！
と、地面を踏み抜く。
と、同時に鬼の身体に異変が。
突如として身体が硬直し、動かなくなったのだ。
「……！？、此奴、普通の鬼狩じゃない…！！気配が変わった……！？小癪なァ"、離せェ"！！！」
動きを封じ、このまま一気に頸を、と思ったが鬼の影を踏み込んだAの足元から無数の手が生え、距離を保つ為に飛び退いた。
しかし、避けた手から枝分かれするように手がまた増え、その予測不能な動きに一転、窮地に追い込まれる。
背後にばかり気を取られていれば正面から手が迫る。
「……っ、」
.
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はな - とても素晴らしい作品でドキドキハラハラしながら読ませてもらっています！続編を読みたいのですがパスワード教えてもらえたら嬉しいです！！ (2022年12月17日 1時) (
レス) id: 91f9c89261 (このIDを非表示/違反報告)
らむね(プロフ) - 続き読みたいです！！パスワード教えてくれませんか？ (2022年4月30日 15時) (レス) id: 5ec7e35342 (このIDを非表示/違反報告)
皐 - とても素晴らしい作品でした！続きも読みたいので、パスワード教えてください (2022年4月27日 18時) (レス) id: 5f014d6a1f (このIDを非表示/違反報告)
のん。(プロフ) - 胡蝶3姉妹推しです!さん» 胡蝶3姉妹推しです!さん はじめまして！恐れ多い御言葉大変恐縮です...！これからも書き殴っていきますので何卒お付き合い頂けますと幸いです。コメントありがとうございました！ (2020年7月31日 9時) (レス) id: 026c0ddca4 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶3姉妹推しです!(プロフ) - わぁぁぁ私の作品が塵以下だったとしたら貴方の作品は神より凄い！ (2020年7月31日 6時) (レス) id: 7688185c2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のん。 | 作成日時：2019年9月1日 23時
