【鬼滅の刃】影の呼吸の使い手にはとある秘密があるらしい。〈壱〉

-新しい修行- ページ16

息を吸っては腹をぶん殴られるし肺は叩かれるし今日は、体こそ動かさないものの吹き出る汗が止まらない。
寧ろ、昨日の基礎体力の向上よりも体力の消耗がすごい。


身体の隅々の細胞へ酸素を巡らせる。

目覚めろ私の筋肉ゥ！



ヒュウウ……！


「そう！飲み込みが早いな坊主。今の呼吸を忘れるな。そして時間見つけてコツをつかめ。毎日欠かさず訓練しろ。次からは教えない。」


バシィ！


「うぐぅうぅ〜…っげほっ！うぅおぉえ…っ！だか…！息を目一杯吸ってる人の…ッ！身体を叩いては…ッ！げほぉ！！」

「よし。次は影に慣れる訓練だ。」





…人の話、聞いてます？

影千夜さんやい。





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ツカツカと休む間も無く大きく口を開けた洞窟の奥へと私の腕を掴んで歩く影千夜さん。

いやいや、真っ暗すぎて何も見えないんですけどぉ？！


「わっ、！」



グイッ、


時々つまづきそうになる私を引っ張りあげて無理やり歩かされる。




影千夜さんはこの真っ暗闇の中なんでそんなスタスタ歩けるの！？


目がいいのか？！

そんなに目がいいのか！？


私は何も見えないぞ！



「あっ、あの！影千夜さんッ！」

「なんだ。」


「なんでこんな真っ暗闇でスタスタとまるで洞窟の中が見えてるかのように歩けるんですか！うわっ、！」

「坊主、お前にも見える(・・・)ようになるさ。影に慣れろ。影と一つになるということはそういう事だ。」

「(いやいやどういうことさ。)」


「俺の目は、ほとんど見えない(・・・・)んだ。」

「えっ。目が、目が見えないってどういうことですか？なんで？ちょっとま、ッうぐ！」

「無駄口は、此処から戻れたら。いくらでも叩け。それまでは許さない。」


突然首元を掴まれただでさえ暗い洞窟の最奥、その谷底へとAを掴むその手を何の躊躇いもなく離したのだった。


「えっ、わ"っ！？、ちょ、ちょっと！影千夜さぁああ"あ"ん"……ッ！！！」

「精々生きて戻れ。あと今日の晩飯は焼き魚を所望するー。って聞こえてねえか。」


ぐわんぐわんとAの悲痛な叫び声が広い洞窟に反響し蝙蝠が慌てて飛び出す。


「(ここに鬼が出ないようにだけしておいてやる。今だけ、な。)」





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「うぅ"……っ、、」



ここは、どこだ。

自分が目を開けているのか閉じているかもわからない暗闇だけが広がっている。



「……谷底、？」



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