-雨音に阻まれて- ページ2
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＿＿ｻﾞｧｱｱ...
「雨……」
突然の大雨。
雨はAの視界を遮り帰路へと急ぐ足を阻む。
近くの古びた小さな小屋で雨宿りを強いられた幼い彼女は、雨に濡れて冷える身体をさすりながら、止まない雨に寂しさから大きな瞳に涙を浮かべた。
…心細い、寂しい。
「おとうさぁん…おかぁさぁん…」
徐々に勢いを増す雨。
次第に日も暮れ、頼りない街灯がチカチカと点滅し不穏な雰囲気に包まれる。
「(早く、帰らなきゃ。鬼がでるから。夜はあぶないって お母さんにおこられちゃうから。)」
ある日の。
帰りが遅くなった日のこと。
Aが帰るなり母は帰りが遅くなったことを酷く叱った。
『鬼が出たらどうするの！でも、...貴方が無事でよかった。おかえりなさい…』
『ごめんなさい…お母さん。ごめんなさい。』
『…いいのよA。でも約束。日が暮れる前にはちゃんと家に戻って来て、お母さんとの約束。』
『うん、分かった。約束。』
ふわりと優しく抱き締める母の温もり。
暖かい母の微笑み。
＿＿夢…
これは、暖かい夢。
「！、帰らなきゃ。�爐�母さんとの約束�畆蕕蕕覆�ゃ。」
Aは弾かれたように小屋を後に砂利道を走り抜ける。
辺りはもう暗闇に包まれ帰路につくAの前に闇が大きく口を開けて嘲笑っているようにも見える。
なりふり構ってられない。
雨は幾分か弱くなったものの顔当たる雨粒が鬱陶しい。
早く帰らなきゃ。
焦る思いは
Aの足をもつれさせた。
痛い…
気を抜いたら泣いてしまいそう。
転んだもの雨のせい。
家に帰るのが遅れたのも雨のせい。
私がこんなに寂しい気持ちになってるのも
全部 ぜんぶ…
＿＿雨のせいだ。
「…あ、おまもり…」
転んだ拍子に落としたお守り。
両親がAが鬼に襲われないように大事に、肌身離さずもっているんだよ、と持たせてくれているものだ。
大丈夫。
御守りがあるんだもん。
鬼になんか襲われるもんか。
Aは御守りを手に再び家に向かい走る。
ふと、様子がいつもと違うことに気がつき急ぐ足がピタリと止まる。
「……人がいない。」
幾ら遅くなったと言っても、雨が降っていても、夜は酒を酌み交わす楽しそうな街の人の声が聞こえていた。
今はどうだ？
雨がザァザァと降る音が響くだけ。
でも、街の家には明かりが点いている。
寝静まるのに明かりが漏れるのはおかしい。
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はな - とても素晴らしい作品でドキドキハラハラしながら読ませてもらっています！続編を読みたいのですがパスワード教えてもらえたら嬉しいです！！ (2022年12月17日 1時) (
レス) id: 91f9c89261 (このIDを非表示/違反報告)
らむね(プロフ) - 続き読みたいです！！パスワード教えてくれませんか？ (2022年4月30日 15時) (レス) id: 5ec7e35342 (このIDを非表示/違反報告)
皐 - とても素晴らしい作品でした！続きも読みたいので、パスワード教えてください (2022年4月27日 18時) (レス) id: 5f014d6a1f (このIDを非表示/違反報告)
のん。(プロフ) - 胡蝶3姉妹推しです!さん» 胡蝶3姉妹推しです!さん はじめまして！恐れ多い御言葉大変恐縮です...！これからも書き殴っていきますので何卒お付き合い頂けますと幸いです。コメントありがとうございました！ (2020年7月31日 9時) (レス) id: 026c0ddca4 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶3姉妹推しです!(プロフ) - わぁぁぁ私の作品が塵以下だったとしたら貴方の作品は神より凄い！ (2020年7月31日 6時) (レス) id: 7688185c2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のん。 | 作成日時：2019年9月1日 23時
