リアル不仲のWエース4【THE RAMPAGE】

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お守りを見つけた時のAは、
本当に苦しそうだった。




初めて感情を表に出てたと思う。







『……力矢さん、陣さん』




力矢「ん？」




陣「どないした？」




『先に謝っときます。
多分、グループで問題なるんで』




力矢「……行動にするのが遅いくらいだよ。
A、俺は止めないよ」




陣「ちょ、力矢さん」




翔吾「せやな、もう堪える必要無いやろ」




海青「Aさん、今まで我慢させてすみませんでした」







俺らメンバーに謝ったAは、次の日、
緊急ミーティングで集まったスタッフたちの前に立った。




わざと集合時間を早めにしてたから、
その人たちは早く来てくれてて、
最後に来たAに気に食わなさそうにしてた。







『これ、やったのあなたたち？』




「なんの事？」







Aはそう言って
その人たちの前にボロボロになったお守りを置いた。



けど本人たちはすっとぼけてて。
でもAは役者精神で感情を殺してた。







『いや、感謝しようと思って。
捨ててくれてありがとう』




「……それほどでも無いわ」




『……』




「ずっと辛そうに見てたから。
でも捨てられないって前に言ってたでしょ？」




「だから代わりに捨てといてあげたよ。
ただ目につかないように捨てたのに、どうして？」




「辛いなら隠しておけばいいのに」







その言葉の数々に、一番近い席に座ってた俺が限界を迎えた。







北人「人の物勝手に捨てて何言ってんのアンタら」




樹「北人さん」




北人「大事にしてるからこそ辛いって思うんだよ。
捨てられたら二度と戻ってこないものなんだよ！」




「そんなお守り、どこにでもあるじゃないですか」




北人「それ本気で言ってる？」




「え？」




北人「このお守り、亡くなったAのおじいちゃんがくれた、
気持ちのこもったお守りなんだよ？」




「っ」




北人「もう一度聞くけど。
本気で、このお守りがどこにでもあると思うの？
亡くなった方がくれた、世界でたった一つのお守りが？」




「……」




「……」




北人「黙ってないで何とか言えよ！！！」







俺が怒鳴った時、周りにいた人が止めてくれた。


この時、俺はAのことは何がなんでも守んなきゃって。




演技で全てを堪えてしまう彼女を、
俺らが支えてあげなきゃって使命感に駆られたのを覚えてる。










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