85話ーギョンスsideー ページ38
.
プルルルル…
早く出てくれ、お願いだから。
ガチャ…
A「…もしも
「A！今、どこ！？」
A「え…っと、会社の最寄駅。」
「今から行くからそこから離れないで！」
A「えっ…、ちょ…ギョンス！？」
電話を切ってすぐにタクシーを捕まえた。
振られるのは怖い。
でも、本当に
誰かのお嫁さんになってしまうなら、
その前に、
少しだけわがままになってもいいよねって
さっきまでの僕からは考えられない行動に出ていた。
「運転手さん。すいません、急いでください。」
バタンと、勢いよくタクシーのドアを閉めて、
無我夢中でAの元まで走った。
「ハァ…ッ、ハァ…」
A「ちょっと、ギョンス…いきなりどうしたの？」
「聞いて欲しいことがあるんだ！」
A「な、何。そうだ…私も家の鍵返そうと思ってて
「いいから、何も言わないで僕の話を聞いて！」
A「わ、わかった…」
ふぅ、と深呼吸をした。
思ったよりも行動力がある自分に、
頭の中で感心する。
「僕と、また暮らして欲しい。」
A「え…」
「無理言ってることはわかってる。Aが結婚するまででいいんだ。
もう一度、Aと暮らしたい。
Aがいなくなって、
生きるのが全然つまらなくなった。
僕と結婚してくれなんてわがままはもう言わないから…
せめて、あの人と結婚する前に、
もう一度だけ、僕と暮らして欲しいんだ。」
Aの返事を聞くのが怖くて、
長々と言葉を続けた。
「…本当は、まだAと結婚したいって思ってる。
気づいたんだ、
僕、Aのことが好きだったみたい。
ごめんね、あんなプロポーズなんかして。
すごく後悔してる。
それなのにこんなことを言うのも図々しいってわかってる。
…でも、ヒョンからAが結婚するって聞いたら居ても立ってもいられなくなって…
おかしいよね、
女の人には執着しないなんて言っておいてさ…
どうかしてるってわかってる。
でも、どうしようもないくらいAが好きなんだ…
だから、せめて最後だけでも僕と過ごして欲しい。
そしたら、ちゃんと諦めるから…だめ、かな…？」
僕が、話し終わると
黙って聞いていたAが
ゆっくりと口を開いた。
A「…ごめん、ギョンス。ギョンスとは暮らせない…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2239人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サト丸21号地球防衛軍(プロフ) - 塩さん» はい！塩さんのとっても面白いですよー！また、新作楽しみにしていますので！ (2018年1月2日 20時) (
レス) id: 6ff5bc848a (このIDを非表示/違反報告)
塩(プロフ) - サト丸21号地球防衛軍さん» 先ほどもコメントさせてもらったのですが、久しぶりにロングインしたのでどちらもお返事遅くなってすいません！こっちも読んでいただけたんですね(T-T)ありがとうございます(T-T) (2018年1月2日 2時) (レス) id: 9c6b488e98 (このIDを非表示/違反報告)
サト丸21号地球防衛軍(プロフ) - 二人とも幸せになってよかったねぇ(T ^ T)泣きそうでした！ (2017年12月24日 1時) (レス) id: 6ff5bc848a (このIDを非表示/違反報告)
塩(プロフ) - たるぎ。さん» 初めまして！読んでいただいた上にコメントまでありがとうございます(/ _ ; )癒しだなんて、ありがたきお言葉です〜！！(T ^ T (2017年4月11日 13時) (レス) id: bba33da31b (このIDを非表示/違反報告)
たるぎ。(プロフ) - 塩さん、初めまして！こちらのお話オススメされて読んでみましたが、もうそれはそれはいちいちツボを突いてきてキュンキュン止まりませんでした…癒しをありがとうございましたTT (2017年4月10日 11時) (レス) id: b395b0233c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：塩
| 作成日時：2016年7月25日 22時
