夢主が何かするだけされるだけ【2】 ［Undertale］ ［Undertale AU ］

１時限目 ページ21

「今日は何をするんだろうね、A！クロス！」


同じ机に座っているドリームが元気そうに言う。だがその隣にいるクロスは少々げんなりしていた。



「…あの先生、今日は何を『しでかす』んだろうな。」



その時、授業開始のチャイムが鳴ると同時に、美術室と準備室がつながるドアが勢いよく開いた。


出て来たのはこの時間軸での美術教師、インクだった。時々バランスを崩しかけながら、道具を大量に持っている。



「よいっしょっと…。よし、じゃあみんな！今日は…、なんだっけ、…そうだ！似顔絵だ！同じ班のヒト(モンスター、ニンゲン含)と似顔絵を描いてもらうよ！」



「…ん…、結構普通…だったな…。」



「あはは…そうだね。」



安心したのか驚いたのか、クロスとドリームが静かに呟く。それもそのはず、このインク先生は創作に熱くなるとそこら中に絵の具をぶちまけるという、なかなか危ない(個性的な)先生だった。



話は進み、Aはドリームを描くことになった。ドリームはクロス、クロスはAを描く。


教室は完全に集中モードになり、インクは少々つまらなそうにしていた。



(…。話しながらやってもいいのになぁ。)




Aも真剣に描いていると、背後から声が飛んできた。



「わあっ！！A！上手だね！！」



Aのみならず、向かいで作業をしている２人も軽く飛び上がった。そんな３人にお構いなしに、「おお！クロスとドリームもいい感じ！」と机の上に乗り出している。



「３人とも調子良さそうだねぇ！！じゃあこのまま色塗っちゃおうか！！」



「い、色ですか？色…塗っちゃうんですか？」



心配するドリームをよそに、


「うんうん、塗るんだよ塗っちゃうんだよ」


とすっかり乗り気である。



(…い、嫌な予感しかしない…。)



どうも話が通じない先生は準備室にAたちを押し込んだ。窓を全開にしていき、絵の具を次々と用意していく。そして最後に出て来たのは、『いつもの筆』だった。



「じゃあ失敗しちゃったらもったいないから、僕が先にお手本やるね！！」



そう言い終わるや否や、思いっきり筆を振り上げた…。






ーーー

美術教師:インク
毎回毎回破天荒な授業を展開してくる。授業終了後の生徒は大体飛び散った絵の具でカラフルになって帰ってくる。時々真っ白な眼で校舎内を歩き回っているとかなんとか。





500代と30代のクラスメイトって一体…(((

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