こーひーのあとはしゅがーで【F】 (ページ9)

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それからどうやって
家まで帰ってきたかは覚えていない。

扉を開けて、玄関にしゃがみこむ。

右をむくと、私に笑いかけている
ふっかさんがいる。

さっき、傘を差し出してくれた彼と
同じ？

いつも静止がで笑いかけている右にいる彼と違って、
さっきは動いていた。

それに、なにか話しかけてくれてた。

「まさか、やっぱりほんもの？」

心を落ち着かせて、さっきの状況を思い返す。

目を閉じるとぼやっとした光景が
はっきりとしてくる。

”かーわい”

私の聞き違いじゃなければ、
そう言ったはず？

うそ。

そんななのに、
思いっきり逃げてきたじゃん。
そうじゃん。

ファン相手だったからそう言ってくれたと分かってる。

ただでさえ、あんな強運のこと起こらないのに。

なに、すぐに離れちゃったのよ。

ほんとに。

「なんで帰ってきちゃったんだーーーー！！！！」

だれもいない玄関に私の雄叫びが響き渡る。