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トモヒロside
藤堂グループに乗り込む前日の日。
この日のために薬や手榴弾を沢山作ってきた。
みんなの足を引っ張っちゃ行けへんからね。
頭の傷も癒えてきて、痛みも無くなったし良かったわ。
トモヒロ「 …ふう、 」
…疲れた。
ひと段落着いたところで手を止める。
と、コンコンとドアがノックされる。
トモヒロ「 どうぞ 」
A「 今大丈夫？ 」
トモヒロ「 うん、おいで 」
ひょこっと顔だけを出してきて、覗いてきたのはAちゃんだった。
手招きすると俺の部屋に入ってきて、隣に座ってくる。
A「 傷大丈夫かなって 」
トモヒロ「 ん、見て？ 」
失礼しまーす。と俺の髪の毛を撫でてくる。
あの日以来、Aちゃんは毎日傷の様子を確認しに来てくれている。
2人きりになれる唯一の時間やから、嬉しかったり。
A「 だいぶ良くなったね 」
向かい合わせになって、Aちゃんは膝立ちをして上から見てくる。
…何がとは言わへんけど、丁度目のやり場に困るから目を閉じる。
お風呂上がりなのか、いい匂いがする。
…少しだけ、ワガママさせて。
A「 …トモヒロ？ 」
腰に腕を回して、抱きしめる形になる。
トモヒロ「 …俺、本間はちょっと不安やねん。また、みんなの足引っ張ぱるんちゃうかなって 」
A「 うん、 」
トモヒロ「 やから、 」
A「トモヒロはトモヒロにしか出来ない事があるから 」
トモヒロ「 …うん 」
A「 私、トモヒロみたいに薬作れないし、爆弾も作れないからさ 」
A「 完璧な人間なんて居ないんだし、何かあったら私たちを頼ればいいじゃん 」
ぎゅう、と効果音付くんちゃうかってくらい、強く抱きしめられる。
…顔に当たってるんやけど…。
トモヒロ「 …うん、ありがとう 」
A「 ふふ、可愛い 」
そのままゆらゆらと体を動かされて。
はぁ、めっちゃ幸せ。
アキト「みんなー！下降りて来てー！」
その幸せは、ものの数秒で終わってしもうたけど。
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作者名：shii | 作成日時：2020年6月20日 15時
