35話ーベッキョンsideー ページ35
.
客からの要求をできるだけ飲んでた俺は、
あいつの存在がどこかありがたかった。
あいつの前で
いつもの俺でいたって、
文句の一つも言わない。
媚びへつらって
客のご機嫌とりして…って、
そんな仕事の中で
あいつの相手は
唯一気を抜ける仕事だった。
高い金払ってもらってんのに、
指一本も触れずに
ただただ横で眠った日だってあった。
「あ、わり…寝てたわ。もう時間…？」
『ん、大丈夫。延長するし。』
「サンキュー、もう少し寝てもいい？さっきの客めんどくさくて。あんたといるとほっとする…なんか落ち着くんだ。」
こんな一言でも付け加えれば、
寝てるだけで金がもらえる。
『ふふ、いいよ。安心して寝て？』
こんな楽な客、
手放せるかよ。って思ってた。
『ねぇ…ベク…私のこと好き？』
いつだったか、
そんなことを聞かれたことがあった。
「口で言わなくてもわかんだろ。」
そう言ったけど、
心の中では
普通に考えて、
好きな女に金なんか払わせるわけねーじゃん。
って、鼻で笑ってた。
よく考えたら、
その頃からあいつの様子は少しずつ
おかしくなってた気もする。
そんな風に
あいつとの仕事をこなしてた時、
チェンが変なことを言い出した。
CH「なあ、お前の客のあの若いこいるじゃん。」
「ん？ああ、あいつがどうかした？」
CH「…そろそろ仕事受けるのやめたほうが良さそうだぞ。」
「は？なんだよ。妬んでんの？はは。悪いけど、あいつは譲ってやんねーぞ？」
CH「そんなんじゃないって。ま、いいや。とにかく色々気をつけておいたほうがいい。」
どうせ、
ひがみとか妬みの一種だと思ってた。
だけど、ある日、
「ってぇ、何なんだよ、お前ら。」
スーツを着た男と、
その取り巻きって感じのチンピラ二人が
俺に話しかけて来たと思ったら
片方のとりまきが俺の腹をいきなり殴った。
『顔はやめてやれ。大事な商売道具だからな。』
そう言って、スーツの男が
ゆっくり俺に近づいて来た。
『悪いね、お兄さん。あんたは何にも悪くないんだけどさあ。』
「…じゃあ、なんでこんな真似。」
『あんたの客に言ってくんないかな。』
「…？何をだよ。」
『あんたと遊ぶ金があるならきちんと借金返してくださいってね。こっちだって商売なんだ。よろしく頼むよ。』
「…客って誰だよ。」
『ほら、おたくのお店には似合わないあの女だよ。』
36話ーベッキョンsideー→←34話ーベッキョンsideー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2083人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「EXO」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
塩(プロフ) - サト丸21号地球防衛軍さん» お返事遅くなってすいません(T-T)！！！！更新かなり止まってまして……絶対に更新するのでまた読んでいただけたら嬉しいです(T-T) (2018年1月2日 2時) (
レス) id: 9c6b488e98 (このIDを非表示/違反報告)
サト丸21号地球防衛軍(プロフ) - いま20話読みました…つ、辛すぎ(T ^ T) 最高です！これからも頑張ってください！ (2017年12月23日 23時) (レス) id: 6ff5bc848a (このIDを非表示/違反報告)
塩(プロフ) - ひなさん» コメント遅くなりすいません〜〜〜！！(T ^ T)そしてコメントとってもうれしいです！！！ベクにきゅんきゅんしてもらえてよかったです！ギョンスが全くでてこず…（ ; ; ）必ず更新しますので少々お待ちください〜〜！(T ^ T) (2017年7月22日 0時) (レス) id: fb44d78c76 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - いつも読ませてもらってます！このお話のベッキョンがかっこよくて大好きです〜！ギョンスメインなのにベッキョンにきゅんきゅんしちゃいます( 笑 ) これからも更新楽しみにしてます！ (2017年7月5日 1時) (レス) id: c290ea6bde (このIDを非表示/違反報告)
塩(プロフ) - しう組さん» しう組さーん！！お久しぶりです！！！いつも読んでいただいて本当にありがとうございますー(TT)最後を考えず始めたもので…全く更新せずすみません(TT)必ずや、完結させますので…最後までよろしくお願いします(TT) (2017年7月4日 0時) (レス) id: fda5c15ee2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：塩
| 作成日時：2017年1月12日 0時
