139話 助けに来たよをもう一度 ページ44
エリside
｢先生！大変だ！テレビ！｣
｢今見てるよ！｣
慌てて入ってきたのはA組のみんな。
マイク先生が付けてるテレビでは、フィリップがヴィランと戦っていた。
フィリップは全然攻撃してない。どうしてだろう？
そしたら、フィリップがヴィランに押さえつけられちゃって…。
｢フィリップ！｣
｢童話…頑張れ！負けんな！｣
｢エリちゃん、やっぱり…｣
｢ううん！絶対最後まで見る！私約束したもん！｣
｢でも…｣
｢俺もイレイザーがどうなるかちゃんと見とかねぇといけないし、エリちゃんにこんな覚悟があるんなら見せてやろう｣
｢……はぁ、分かったわ｣
ミッドナイトさんはため息をついて、心配そうにまたテレビを見た。
フィリップ、どうして動かないの？
みんな応援してるよ。
私、フィリップが負ける所なんて見たくないよ。
イレイザーさんを救けて、フィリップ。
あの時、暗闇から私を救けてくれたみたいに。
｢私、フィリップにたすけられたんだよ？もっとフィリップが活躍してる姿見たいよ…また王子様みたいにカッコよく救けてよ｣
｢エリちゃん…｣
｢フィリップが負ける所なんて嫌だ！勝って帰ってこないと許さないんだから！お願いフィリップ、信じてるから…起きて、救けて…！｣
フィリップに。
届け、この想い。
────『助けに来たよ』
･･･
童話side
声がした。
暗闇の中で、一筋の光を差すような声が。
それはどんどん大きな光へと変わっていく。
俺を包み込んで、道を示している。
────『………誰も、恨むなよ』
────『俺に憧れてくれて…………』
────『──て──ッ』
兄さんが、最後に言った言葉は─────。
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作者名：roronoa | 作成日時：2019年4月14日 14時
