135話 俺が ページ40
｢なあ、そうだろ？｣
シュレッダーは何も言えない俺を良いように、どんどん言葉を重ねていく。
｢お前は自分を、俺を恨んでる。だからせめて自分は楽になりたいと兄に許しを乞うている。自分が楽になれば、あとは勝手に俺を殺せるもんな｣
｢違う｣
｢違くない。お前は自分勝手だ。自己中心的に物事を考え、兄との良い思い出しか覚えてない。お前の兄は不幸だ。こんなクズが弟で｣
｢そんなこと兄さんは思ってな｣
｢思ってるよ。こんな弟持って最悪だって。何せ、自分が最後に約束したことも破られそうになってんだから｣
｢は…っ!!｣
｢分かるか？お前は正真正銘のクズなんだよ。お前なんかにヒーローになる資格なんてないんだよ｣
｢ぅ…っ｣
────〔全部お前のせいだ〕
────〔お前が壊したんだ〕
────〔お前にヒーローをやる資格はない〕
｢ごめッ…ごめんなさい…兄さん…ごめんなさい…兄さんにはッ…助けるべき人がいたのに…こんな俺のために…死なせて…ッ｣
｢ああホントだよ!!テメェが死んでれば兄貴が死ぬ事は無かったのになァ!!兄貴はテメェに、殺されたんだ!!｣
｢うぅっ…!!｣
俺は動ける右手で頭を抑えながら泣いた。
俺を責めた。
俺が、あんな所にいなければ。
俺が、もっと力を付けていたら。
俺が、無個性だと思っていなければ。
俺が、……。
｢君がいなきゃ！！僕はここにいなかった！！！｣
俺の涙の落ちる音しかしなかった空間に、ヒーローの声がした。
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作者名：roronoa | 作成日時：2019年4月14日 14時
