134話 何故お前はヒーローを目指す ページ39
童話side
俺は今…何を考えていた？
まさか、恨んでいた？コイツが…シュレッダーが早く俺の手で潰れればいいと、そう考えていた？
心も体もシュレッダーを目指し、今すぐにでも殺そうとした？
飯田と切島が止めてくれなかったら、俺は何をしでかしていただろう。
どうして…。
恨まないって決めたのに。そう約束したのに。
大好きな、兄さんと。1番憧れているヒーローと。
｢来ねぇんなら俺が先に仕掛けるぜ？さっさと死ねブレーメン!!｣
｢くっ…！｣
なんなんだ、アイツの個性は。
触れられてもないのに切り傷が増えていく。
辛うじて避けられてはいるが、避けられない分が俺の身体に傷を付けていく。
｢ハハッ遅ぇよ!!｣
｢な…っ！｣
俺は地面に叩きつけられて、左肩をシュレッダーが持っていた刀で刺された。
｢ぅあ"あ"!!｣
｢童話くん！｣
｢そんな…っ｣
左肩から血がどんどん流れていく。
｢このままテメェの喉元かっ切ればお前は死ぬ。だがそれだけじゃ詰まんねぇな…何か喋ろうか｣
｢な、にを…｣
｢何故お前はヒーローを目指す？｣
何故。
なんで今そんな質問を？
俺が死にそうだから？自分の手で兄弟諸共殺れるって自信があるから？
｢答えろ。何故お前はヒーローを目指す｣
｢………憧れたからだ｣
｢誰に｣
｢……兄さんに｣
｢違うな｣
｢は…？｣
シュレッダーは唾を地面に吐き出すと、俺の目を見つめて言った。
｢お前は兄に憧れてヒーローを目指してるんじゃない。自分のせいで死んだ兄に許してもらうためにヒーローを目指してるんだ｣
なんだよ、それ。
そんな訳ないじゃないか。
そう言いたくても、俺は図星をつかれたように何も言えなかった。
────〔恨んでやる〕
────〔俺にはこれから輝く未来があったのに〕
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作者名：roronoa | 作成日時：2019年4月14日 14時
