132話 今度こそ、信じるの ページ37
エリside
今日はルミリオンさん達が遊びに来てくれる日。
フィリップはヒーローになるための訓練に行ってるから会えないけど、楽しみだった。
ルミリオンさんが来てくれて、マイクさんとかミッドナイトさんがテレビを見ながら私とも遊んでくれた。
ねじれお姉ちゃんが髪を結んでくれたあと、すごく寒気がしてしまって、身震いした。
｢？どうしたの？エリちゃん｣
｢…ううん、なんでもない｣
なんだろう、すごくこわい。
不安って言うのかな。
フィリップ、大丈夫かな。
心配してる時、テレビを見ていたマイクさんが慌てだして、気になった私はテレビを見た。
｢…フィリップ…？｣
そこには、敵と面と向かって立っているフィリップの姿が映されていた。
『ご覧下さい、彼は先日保須に現れた脳無を仕留めたとされる雄英の将来有望ヒーロー、ブレーメンではないでしょうか。ブレーメンはシュレッダーと思われるヴィランと対峙しています！』
ヴィラン？フィリップが、ヴィランと？
やっぱり、あの寒気は気のせいじゃなかったんだ。
『何か喋っている様ですが、ここからでは何も聞き取れません！マイクも機能しません！…ですが人質を取られているようです。ヒーローから無闇に手は出せない状況です！』
｢マジかよ…オイあれイレイザーじゃねぇか!?｣
｢ちょっとマイク！エリちゃんいるんだから…｣
｢あ…｣
女の人の言葉でカメラがフィリップを映していく。
フィリップの顔がちゃんと確認出来るくらいにズームすると、フィリップの口が動いた。
｢…？童話の奴、何言ったんだ？｣
｢さあ…｣
マイクさん達は分かってない。
でも、私は分かったよ。
｢うん！信じる！｣
｢へ？｣
フィリップは私にこう言ったんだ。
────『エリちゃん、俺を…信じて』
うん、信じるよ。
絶対信じる。
だってフィリップは王子様だもん。
｢エリちゃん、怖いからむこう行こう？｣
｢やだ。私ここにいる。フィリップを最後まで信じるの。あの時、信じてあげられなかったから。今度こそ、信じるの｣
｢……！エリちゃん…うん！信じよう！｣
ルミリオンさんは分かってくれた。
絶対信じるからね。
だから、勝って、
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作者名：roronoa | 作成日時：2019年4月14日 14時
