125話 来るかもしれない ページ30
今日は小さな犯罪を犯した名もないヴィランを捕まえただけだった。
本当にシュレッダーは明後日現れるのか。
狙われるのは俺なのか。はたまたイレイザーヘッドなのか。
ヒーロー実習しに来た俺達の中で狙われる可能性があるのは俺と梅雨ちゃんだけだ。
梅雨ちゃんのヒーロー名はフロッピー。
“ふ”はまだ埋まってない。
｢父さん、伸也さん｣
｢王子、どうした｣
｢梅雨ちゃんを出来るだけ守って欲しい｣
｢フロッピーか。何故？｣
｢“ふ”はまだ埋まってない。シュレッダーに名前が割れれば殺しに来るかもしれない｣
｢了解した。出来るだけ名は呼ばないようにしよう｣
｢助かるよ｣
今日はスパイダーの事務所で泊まることになった。
エッジショットも一緒で、ヒーローとしての経験を聞けるいい機会だと思う。
｢エッジショットがスパイダーと組むって何か理由があったんですか？｣
そう聞いたのは切島。
純粋な疑問だろう。どちらも強いから。
｢スパイダーさんから話を持ちかけられた時は驚いたが、的は射ていた。シュレッダーを捕まえるに当たり、もう用はないヒーローが動いた方がいいだろうからな｣
｢それって…エッジショットもスパイダーもシュレッダーからは狙われないって事ですか？｣
｢そういう事だ｣
｢そんなの、なんで分かったんですか。ヒーロー殺しですよ｣
｢ショート、不安になる気持ちは分かるが話は最後まで聞くべきだ。シュレッダーはひらがな表の頭文字で殺すヒーローを決めている。“え”も“す”も既に埋まってるんだ｣
｢へぇ…あれ、イレイザーヘッドが狙われてるってことは“い”も埋まってないってことか！｣
｢ああ。それで護衛をつけてる。…ん？そういえば“し”も埋まってないな…ショート、君は気をつけるべきかもしれない。…だが何故王子はフロッピーだけ名前を…｣
｢“ふ”も埋まってないって事ですね。蛙吹、気をつけろよ｣
｢轟ちゃんもよ。…エッジショット、大丈夫？顔色が良くないわ｣
｢いや、大丈夫だ。少し…考えが止まった｣
｢プロヒーローは大変だものね。私達ももう寝ましょう、明日も朝早いわ｣
｢そうだね梅雨ちゃん！じゃあおやすみなさい｣
｢ああ、おやすみ｣
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作者名：roronoa | 作成日時：2019年4月14日 14時
