117話 サプライズ ページ22
｢今日はありがとう！楽しかった！｣
｢…うん｣
通形さんが明るく言うも、エリちゃんは物足りなさそうに頷いた。
俺は緑谷と目を合わせると、エリちゃんに向き直って｢顔を上げて｣と言った。
｢｢サプライズ！｣｣
俺達が取り出したのはりんご飴。
もちろんどこの屋台にも出てないものだ。
朝、俺がエリちゃんを迎えに行った時、コンビニで買ったものだ。
｢作り方意外とカンタンで！｣
｢食紅だけはコンビニになかったから砂藤に手伝ってもらったんだ｣
イレイザーヘッドは、りんご飴を手にしたエリちゃんを見ながら言った。
｢まぁ近いうちにすぐまた会えるはずだ｣
エリちゃんはりんご飴を1口かじった。
｢フフ…さらに甘い｣
｢また作るよ｣
｢楽しみにしててね！｣
俺はエリちゃんに手を振って別れた。
そして、11月も下旬に差し掛かる頃。
｢雄英で預かる事になった｣
｢近い内にまた会えるどころか!!｣
エリちゃんのことは3年生に任せて、俺達インターン組はイレイザーに呼ばれて寮の外に出た。
｢エリちゃん、親に捨てられたそうだ。現状寄る辺がない｣
｢そんでね、個性よ放出口になってる角。僅かながらまた伸び始めてるそうなんだ｣
｢じゃあ…またああならないように…？｣
｢そういう事で、養護施設じゃなく特別にうちが引き取り先となった。教師寮の空き部屋で監督する。様子を見て…付き合い方も模索していく｣
｢相澤先生が大変そう｣
｢そこは休学中でありエリちゃんとも仲良しなこの俺がいるのさ！忙しいだろうけど皆も顔出してよね｣
｢もちろんです！｣
A組はイレイザーの指示で寮に戻った。
来賓があるらしい。
誰が来るんだろうな。
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作者名：roronoa | 作成日時：2019年4月14日 14時
