113話 ワクワクさん ページ18
ほとんど見回って、昼頃になったのでランチラッシュの所で休憩を取った。
エリちゃんはジュースを飲みながら座った。
｢どうだった？｣
｢よく…分からない…けど…たくさん色んな人が頑張ってるから、どんなふうになるのかなって…｣
それを聞けて俺達は嬉しかった。
｢それを人はワクワクさんと呼ぶのさ！｣
いきなり別の人の声がして驚いたが、その声の主は根津校長だった。
ついでにミッドナイトもいる。
ミッドナイトから声援を貰ったあと、エリちゃんから何をするのか聞かれた。
｢僕達はダンスと音楽！ね、童話くん！｣
｢ああ。踊るんだよ｣
｢エリちゃんにも楽しんで貰えるよう頑張るから、必ず見に来てね！｣
｢俺の特別バージョンも見ててね。きっと幸せにしてあげる｣
｢ほんと…!?｣
｢ほんと。俺はウソつかないよ｣
｢うん…！フィリップだもん！｣
それ誰にでも言っちゃダメだよ…と緑谷から忠告を受けたが何が悪かったんだ。
そろそろ休憩が終わるから俺と緑谷はエリちゃんを通形さんに任せて寮に戻った。
青山の演出のために緑谷のダンスの出番は少なくなったが、俺には影響無さそうだ。
｢…ていうか童話くん、君の特別バージョンて？｣
｢あああ！それはダメっ！｣
｢芦戸さん｣
｢本番まで、私達女子と童話のヒミツ!!｣
｢んだそれ言えよー｣
｢コレは重要なキャスティングなの！｣
文化祭前日に夜の9時まで猛練習をした後、道具の確認を行った。
緑谷があさイチで不備のあった道具を買う事にし、俺は病院までエリちゃんを迎えに行く事になった。
｢え、先輩いるんじゃねぇの？｣
｢エリちゃんが来て欲しいって｣
｢さすが王子様｣
｢ふ…エリちゃん今、ワクワクさんだから俺も楽しみなんだ｣
｢ワクワクさん？｣
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作者名：roronoa | 作成日時：2019年4月14日 14時
